著者
岡村 祐
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.687-692, 2013

London View Management Framework: LVMFは、大ロンドン庁(GLA)により2007年に策定されたロンドン中心部の歴史的ランドマークや町並みに対する眺望景観保全計画である。英国内外からの規制強化の要請にしたがい既に2度の改訂が行われている。本研究では、その計画内容の変化や運用実績から、高い都市開発圧力の下で、LVMFがどのような景観像を求め、いかなる手法を用い、いかなる価値判断で景観コントロールを行っているか、その実態を明らかにした。特徴としては、第一に、高さへの柔軟な対応であり、基準高さが適用される「保護ヴィスタ」であっても、ランドマークへの視認性や鑑賞性の向上に貢献すると判断されれば、多少の高さ超過も許容されている。第二に、景観の質的評価を担保するものとして、精緻な景観アセスメント手法: QVAが確立されている。第三に、ランドマークの視覚的独立性の向上や既存要素との相対的関係など、開発と保全の調和を目指すための判断基準が適用されている。

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