著者
米ヶ田 宜久 中島 喜代彦 松本 貴子 国中 優治
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.G3P1584, 2009

【目的】<BR> 当学院において本年度より地域貢献事業の一環として、転倒予防教室を開催している.内容は転倒に関するアンケート調査・おたっしゃ21によるリスク判定・運動機能検査・1時間程度の講話を行っている.特に参加者に自らの身体状態をできるだけ把握してもらうため、各種検査結果の迅速なフィードバック(以下FBとする)を重視している.そこで、迅速なFBを可能にする為に、Microsoft社のExcel2003(以下Excelと する)を用いて運動機能検査に関する結果の入出力方法を確立したので、検査内容並びに、その手法を報告する.<BR>【方法】<BR> FBする内容は1.血圧・脈拍・BMI等の基本情報、2.握力・下肢筋力、3.ファンクショナル・リーチテスト・外乱負荷・片脚立位を用いたバランス検査、4.歩行能力検査として5m歩行・Time up and Go testである.各種検査は東京都老人総合研究所の測定方法に則して行う.これらの測定結果を講話中に入力し、参加者個人毎にプリントアウトを行う.それらを参加者1人1人に直接、理学療法士が結果の説明を行っている.<BR>ソフトは結果入力シートと結果出力シート、判定用シートで構成される.測定データを結果入力シートに順次入力を行うと、身体運動機能のランクが結果出力シートに瞬時に表示される.ランクは5段階で数値の他に「注意が必要です」「非常に良い結果です」等のメッセージも同時に出力される.カットオフ値は判定用データシートに入力されており、性別・年齢の違いが適宜選択されるように設定されている.また、各々の検査種別の転倒危険境界点と測定結果を比較したグラフも出力され、これらのカットオフ値・メッセージ等は自由にカスタマイズが可能な仕様となっている.<BR>また、各々のデータは1つのExcel ファイルとして保存される.このファイルに保存されたデータを自動処理で読み取り、一覧表にするためのソフトもVBA(Visual Basic for Applications)を用いて開発した.このソフトにより結果をまとめる作業が不要となり、個人データの入力後すぐに統計処理等を可能とした.<BR>【結果と考察】<BR> Excelを用いることで、現在のITスキルを用いたデータの活用が容易となる.つまり直感的な操作を可能とするデータの入出力形式にしたことで、さまざまな病院・施設で簡易に使用でき、誰でも容易にデータの入力・出力が可能であることと、統一性および統合性をもったデータの処理とその蓄積が可能となった.<BR> 今後は利便性の向上を目的に無線LANを利用し、検査をしている現場でデータを入力し、結果の出力を可能にするシステム構築を目指す予定である.

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