著者
唐牛 祐輔 楠見 孝
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.115, 2007

本研究は,潜在的ジェンダーステレオタイプが対人印象判断に及ぼす影響を検討した.実験参加者(男女各32名)は,呈示される刺激(依存関連プライム/ニュートラルプライム)の位置同定課題を行った後,無関連な課題として架空のターゲット人物(女性/男性)の印象評定を行った.あわせてImplicit Association Testを実施し,"女性-依存"というジェンダーステレオタイプ的知識連合の強度を測定した.その結果,男女とも"女性-依存"という潜在的ジェンダーステレオタイプを持っていることが確認され,それに一致する形で,依存関連プライムに接触すると,ターゲット人物が女性の場合に,依存性をより高く評定するという傾向が見られた.さらに,"女性-依存"というジェンダーステレオタイプ的知識連合強度が強いほど,依存関連プライム接触時に女性ターゲット人物の依存性をより高く評定するという正の相関関係が見られた.

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