著者
平尾 良光
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

1533年に灰吹き法という鉛を用いる銀製錬法が導入され、また1543年に火縄銃という武器がもたらされた。この2つの事実に共通する材料は鉛である。そこで、戦国時代に利用された鉛の産地を明らかにするために、発掘資料の中から、一般資料(分銅、キセル、簪など)やキリスト教用品、各地の戦跡から鉛玉などを得て、鉛同位体比を測定した。その結果、少なくともその40%は中国や東南アジア産などの外国産鉛であった。タイにおける現地調査で東南アジア産の鉛はタイ国カンチャナブリ県のソントー鉱山産(バンコクから北西約250km)であることが判明した。佐渡金銀鉱山や石見銀鉱山で利用された鉛は日本産材料であり、利用されたそれぞれの鉛鉱山が判ってきた。鉄砲玉と銀製錬に利用された鉛の産地が系統的に異なっていることは日本史の中で何を示唆しているのであろうか。

言及状況

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なるほど。鉄砲の鉛と銀の精錬に使われた鉛は産地が違う、と。 鉄砲は海外産が多いというのは、NHKの番組に通じるのかな。 https://t.co/LzrEKxqLsP
@HIRAYAMAYUUKAIN 蛇足ですが、平尾先生の研究の論文はあるのは知ってたんですが(ご存じだったらすいません) https://t.co/LKIYNIah9S
こんな論文どうですか? 鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通(平尾 良光),2012 https://t.co/6dUUYLuTyY

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