著者
進賀 知加子 下野 勉 仲井 雪絵 紀 瑩 守谷 恭子 瀧村 美穂枝 加持 真理 竹本 弘枝 森 裕佳子 山中 香織
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.584-592, 2007

妊婦の口腔内ミュータンスレンサ球菌群(MS)の菌数レベル,喫煙習慣,食事習慣に関する実態調査を目的として,産婦人科医院を受診した妊娠3-6か月目の妊婦400名(平均年齢29 .2±4.2歳,19-43歳)を対象にデントカルトSMを用いた唾液検体中のMS菌数レベルの測定,食事調査および喫煙習慣に関する質問調査を行ったところ,以下の結果を得た。<BR>1.各SMスコアの割合は,8.5%(SM=0),35.3%(SM=1),38.0%(SM=2),18 .3%(SM=3)であった。MS菌数レベルがハイリスク(SMスコア>2)を示した者は半数以上(56 .3%)であったにも拘らず,歯科医院を受診中の者は1割未満であった(7.8%)。その中で受療目的が「予防」であった者の割合は29.0%であった。歯科医療者と妊婦に対し,妊娠期の口腔衛生管理の重要性について認識を広めるための社会的啓蒙活動や教育が必要である。<BR>2.喫煙習慣の既往がある妊婦はMS菌数レベルがハイリスクになる傾向を認めた(10 .7%vs.6.3%;P=0.08)。<BR>3.「シリアル(無糖)」「アイスクリームまたはシャーベット」「ドーナツまたはマフィン類」「クッキー」「チョコレート」「あんパンまたはジャムパン」「まんじゅう」「ようかん」の8項目の食品においてハイリスク群はローリスク群より有意に摂取頻度が高かった。

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