著者
佐々木 万丈
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.69-80, 2001
被引用文献数
3

本研究の目的は, 中学生の体育学習における能力的不適応経験時のコーピング形態を測定できる尺度を開発することであった。まず, 男女中学生827名に対するコーピング記述の因子分析結果に基づいて3下位尺度・26項目 (ストラテジー追求, 回避的認知・行動, 内面安定) の中学生用体育学習ストレスコーピング尺度 (SCS・PE) が作成された。次に, クローンバックのα係数とテストー再テスト法によって信頼性が, 構成概念的妥当性, 基準関連妥当性, 交差妥当性および弁別力の検討によって妥当性の検証がそれぞれ行われ, いずれも満足できる結果が得られた。以上によりSCS-PEはコーピング尺度として信頼性と妥当性を有することが確かめられた。さらにSCS-PEの5段階評価基準が設定され, 尺度としての有用性と今後の課題が討論された。まず, SCS-PEは生徒のコーピング状況を予測・査定でき, また, 体育嫌いや運動嫌いになることを認知的側面から予防する資料を提供できるという点で有用であることが指摘された。次に, 今後の課題として, 実践場面との関連からも信頼性と妥当性の検討が行われなければならないことが指摘された。

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