著者
三島 浩路
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.121-129, 2003
被引用文献数
3

本研究は, 学級内における児童の呼ばれ方と, 学級内における児童の相対的な強さやインフォーマル集団との関係について検討したものである。学級内における児童の相対的な強さと呼ばれ方との関係を分析した結果, 男子児童の場合には, 「くん付け」で呼ばれる児童の方が, 他の呼び方で呼ばれる児童に比べて学級内における相対的な強さが一般的に強いという結果が得られた。また, 女子児童の場合には, 「ちゃん付け」や「あだ名」で呼ばれる児童に比べて, 「さん付け」で呼ばれる児童の方が, 学級内における相対的な強さが一般的に弱いという結果が得られた。次にインフォーマル集団内での児童の呼ばれ方と, 集団外の児童からの呼ばれ方について分析した。その結果, 男子児童に比べて女子児童の方が, 集団内での呼ばれ方と集団外からの呼ばれ方が異なる児童が多いという結果が得られた。さらに, インフォーマル集団の内外で呼ばれ方が異なる児童について, 呼ばれ方がどのように異なるのかを分析した。その結果, 女子児童の場合には, 集団外の児童からの呼ばれ方がより丁寧であるという結果が得られたが, 男子児童の場合には, インフォーマル集団内外からの呼ばれ方にこうしたちがいはみられなかった。

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