著者
兵頭 政幸
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-20, 2014
被引用文献数
1

近年,地磁気逆転期の百年〜千年スケールの磁気・気候層序が明らかになってきた.大阪湾掘削コアの海水準プロキシは海洋酸素同位体ステージ(MIS)19の歳差周期シグナルをもつ.同コアでは,マツヤマ−ブリュンヌ(MB)逆転トランジションは海水準のハイスタンド19.3以前に小反転エピソードで始まり,ハイスタンド19.3とロースタンド19.2の間の海面低下期に終了する.終了直前には小反転が多発する.気候の最温暖化はMB逆転直後,最高海面の約4,000年後に起こる.同様のMB逆転磁場の特徴が中国レス,インドネシア・サンギランの更新統,歳差周期シグナルをもつ深海底堆積物の記録でも見られる.MB逆転直後の最温暖化はバイカル湖,ヨルダン峡谷,地中海沿岸でも起こっている.MIS31でも最高海面から4,000年遅れて地磁気逆転直後に最温暖化する.これら温暖化の遅れは,逆転期に増加した銀河宇宙線が誘起する寒冷化が最高海面付近で起こったことが原因の可能性が高い.

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