著者
伊藤 雅
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.381-386, 2014

近年、世界各地の都市内幹線道路において、高架道路の撤去や車道の地下化によって地上部を歩行者中心の断面構成に再整備する事例が相次いでいる。本研究では、地下トンネル整備の中止を決定しながらも、住民投票を通じて地下トンネル整備を再開したミュンヘン市の「中環状道路」を事例として取り上げ、地下トンネル整備の中止とその再開に至った経緯の資料調査に基づいて、その決定に至った背景と要因について考察を行った。また、トンネル整備再開後の道路空間整備のコンセプトづくりに関するヒアリング等の現地調査に基づいて、新たな道路空間整備を志向した背景と沿道環境整備が都市に及ぼした影響に関する考察を行った。その結果、住民投票に至る背景には住民グループによる報告書の内容に表わされている通り、高度な実行力と構想力が市民の間に存在していたことがわかった。また、その後、市民の意向を汲み取って作成されたマスタープランと実施プログラムは中環状道路沿道の住環境を向上させるのみならず、都市全体の価値向上につながる取り組みがなされたことがわかった。

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