- 著者
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西村 純
市橋 則明
- 出版者
- JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
- 雑誌
- 日本理学療法学術大会
- 巻号頁・発行日
- vol.2004, pp.A0417-A0417, 2005
【はじめに】ラグビー選手にとって、筋力と持久力はパフォーマンスに直結する非常に重要な要素である。スクラム、ダッシュなどポジションによって求められる能力は異なるものの筋力は、競技の中で常にパフォーマンスに影響する。持久力の指標には、最大酸素摂取量などが用いられるが、実際の競技では有酸素性能力だけではなく、無酵素性能力を維持する能力も重要となる。そこで今回我々は、筋力測定と無酵素能力の持久力を測定する間歇的ペダリングテストを行い、ポジション別に比較・検討し、若干の知見を得たので報告する。<BR>【対象および方法】対象はラグビー部(関西大学Bリーグ)に所属する男子学生30名(平均年齢20.6±1.2歳)とした。間歇的ペダリングテストには自転車エルゴメーター(コンビ社製のPOWER MAX V)を用い、ペダリングの負荷は被験者の体重の7.5%(kp)とした。合計12回、5秒間の全力ペダリングを行い、最初3回の最大値を体重で除した値を最大パワーとした。また、最後3回の平均値を体重で除した値を持久パワーとした。さらに、最大パワーと持久パワーの差を最大パワーで除した値を低下率とした。12回のペダリング間で、最初2度の休憩は十分に取り(5分以上)、その後9度の休憩は20秒とした。筋力測定には等速性筋力評価訓練装置MYORET(川崎重工業株式会社製RZ450)を用い、角速度60、180、300deg/secでの等速性膝関節屈伸筋力を測定した。3回の膝屈伸動作の最高値をピークトルクとして求め、トルク体重比(ピークトルク/体重)を測定した。分析は30名をポジション(フォワード17名、バックス13名)に分け、ポジション間で最大パワー、持久パワー、低下率、トルク体重比を比較した。また、持久パワーの高かった順に15名ずつのグループに分け、両グループ間で低下率、最大パワーを比較した。<BR>【結果および考察】膝屈伸筋力のポジション間の比較では、膝伸展筋力はすべての角速度で有意な違いがみられなかったが、膝屈曲筋力においてはバックス(BK)はフォワード(FW)に比べ180(BK:1.64 Nm/kg、FW:1.42 Nm/kg)、300(BK:1.38 Nm/kg、FW:1.20 Nm/kg)deg/secにおいて有意に高い値を示した。ペダリングでの最大パワー、持久パワーには有意な違いはみられなかったが、低下率はBKの方が有意に高かった(BK:25%、FW:19%)。また、持久パワーの高かった順でグループに分けた場合には、持久パワーが高かったグループは、低かったクループに比べ、低下率(高かったグループ:16%、低かったグループ:28%)が有意に低かったが、最大パワー(高かったグループ:11.3 W/kg、低かったグループ:11.7 W/kg)に有意差は見られなかった。持久パワーは、無酸素能力の持久力を測定する指標として重要であることが示唆された。