著者
西村 純
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.816-821, 2012-12-05 (Released:2019-10-18)
参考文献数
12

1920年代にボーアの研究所で過ごした仁科芳雄は1928年に帰国したが,我が国における現代科学普及の重要性を考え,長岡半太郎に依頼してディラックとハイゼンベルグを日本に招請している.仁科自身も1931年には京都大学で講義を行っていた.湯川・朝永はこれらに刺激を受けて量子力学の研究に進んだと云われている.仁科は1931年に理研に彼の研究室が発足すると,宇宙線の研究に取り組み,理論的研究,マグネット霧箱による中間子の研究,深部地下での観測,緯度効果,連続観測等広範にわたる研究を展開した.仁科研究室は戦争末期に壊滅的な被害を受けたが,我が国の宇宙線研究は戦後,多くの方々からの支援の下に発展し,新しい展開を見せて今日に至っている.
著者
原田 まつ子 相良 多喜子 宇和川 小百合 塩入 輝恵 斎藤 禮子 平山 智美 西村 純一 苫米地 孝之助
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.403-411, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
24

石川県金沢市内に在住する単身赴任の男性37人を対象に, 健康状態, 栄養素及び食品群別摂取量状況調査, 性格調査 (谷田部・ギルフォード法) を行い, 単身赴任歴3年未満と3年以上, 性格の情緒安定因子と向性因子の性格特性とこれらとの関連を検討し, 次の結果を得た。1) 単身赴任歴の3年未満の者は, 3年以上に比べて“風邪をひきやすい”と回答した者が多く (p<0.05), 関連の度合が大きい。2) 単身赴任歴の3年未満の者は, 3年以上に比べて, 栄養素の摂取量でみると, ビタミンAを除く全ての栄養素が低値であり, 食品群別において, 特に緑黄色野菜の摂取量が少ない (p<0.05)。3) 情緒不安定な者は平均または安定な者に比べ, また, 積極型の者は平均または消極型の者に比べ“風邪をひきやすい”と回答した者が多く, 有意差が認められた (p<0.05)。4) 栄養素及び食品群別摂取量では, 情緒不安定な者は鉄, 野菜類の摂取量が有意に少なく, また, カルシウム, ビタミンC, 豆類も野菜類と同様に, 情緒不安定の者のほうが摂取量が少なかった。一方, 積極型は平均または消極型に比べ, 脂質量が多く, 緑黄色野菜の摂取量は有意に低値で, ビタミンCは少なかった。5) 性格特性の情緒安定因子とは, カルシウム, 鉄, 豆類, 野菜類が, また, 向性因子には脂質, ビタミンC, 乳類, 緑黄色野菜とに関連が認められた。
著者
東浦 晶子 西村 貴士 吉田 昌弘 西村 純子 橋本 眞里子 柴田 陽子 藤原 葵 由利 幸久 高嶋 智之 會澤 信弘 池田 直人 榎本 平之 今村 美智子 三好 康雄 廣田 誠一 飯島 尋子
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.647-655, 2021-10-01 (Released:2021-10-06)
参考文献数
41

症例は70歳代女性.近医で多発骨転移を伴う乳癌と診断され当院紹介受診となった.パクリタキセル(PTX)による化学療法中にAST 201 U/L,ALT 35 U/LとAST優位のトランスアミラーゼ上昇を認めた.腹部超音波検査,腹部造影CT検査では異常所見は認めなかったため,PTXによる薬剤性肝障害を疑い薬剤の変更,中止をしたが肝機能障害は改善しなかった.超音波エラストグラフィによる肝硬度検査を施行したところ,TE(Transient elastography)39.1 kPa,VTQ(Virtual touch quantification)2.73 m/s,SWE(Shear wave elastography)2.54 m/sと著明な上昇を認め,肝生検を施行し,特殊型乳癌の1つである浸潤性小葉癌の肝転移と診断された.肝硬度が高値になる稀な原因として微小転移性肝癌があげられた.
著者
西村 純 矢島 信之 藤井 正美 横田 力男
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.13-19, 1990-12

この論文では金星大気の運動や組成を観測する金星気球を開発するため, 金星気球のモデル試験の方法を提案する。金星浮遊気球としては, いくつかの形態が提唱されてきたが, ここでは適当な液体をつめた相転移気球について詳しく検討する。金星大気の主成分は炭酸ガスで, 高度が下がるとともに温度が上昇するので, 気球内に入れた液体が蒸発して浮力を生ずる。ある高度を境として蒸発と液化が起こるので, 気球は一定高度に安定に浮遊することができる。金星大気から金星気球への熱伝達について詳しく解析するとともに, 温度勾配をつけた小型の水槽にモデル気球を浮かべて, 相転移気球の試験を行えることを実証した。
著者
西村 純 市橋 則明
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.A0417-A0417, 2005

【はじめに】ラグビー選手にとって、筋力と持久力はパフォーマンスに直結する非常に重要な要素である。スクラム、ダッシュなどポジションによって求められる能力は異なるものの筋力は、競技の中で常にパフォーマンスに影響する。持久力の指標には、最大酸素摂取量などが用いられるが、実際の競技では有酸素性能力だけではなく、無酵素性能力を維持する能力も重要となる。そこで今回我々は、筋力測定と無酵素能力の持久力を測定する間歇的ペダリングテストを行い、ポジション別に比較・検討し、若干の知見を得たので報告する。<BR>【対象および方法】対象はラグビー部(関西大学Bリーグ)に所属する男子学生30名(平均年齢20.6±1.2歳)とした。間歇的ペダリングテストには自転車エルゴメーター(コンビ社製のPOWER MAX V)を用い、ペダリングの負荷は被験者の体重の7.5%(kp)とした。合計12回、5秒間の全力ペダリングを行い、最初3回の最大値を体重で除した値を最大パワーとした。また、最後3回の平均値を体重で除した値を持久パワーとした。さらに、最大パワーと持久パワーの差を最大パワーで除した値を低下率とした。12回のペダリング間で、最初2度の休憩は十分に取り(5分以上)、その後9度の休憩は20秒とした。筋力測定には等速性筋力評価訓練装置MYORET(川崎重工業株式会社製RZ450)を用い、角速度60、180、300deg/secでの等速性膝関節屈伸筋力を測定した。3回の膝屈伸動作の最高値をピークトルクとして求め、トルク体重比(ピークトルク/体重)を測定した。分析は30名をポジション(フォワード17名、バックス13名)に分け、ポジション間で最大パワー、持久パワー、低下率、トルク体重比を比較した。また、持久パワーの高かった順に15名ずつのグループに分け、両グループ間で低下率、最大パワーを比較した。<BR>【結果および考察】膝屈伸筋力のポジション間の比較では、膝伸展筋力はすべての角速度で有意な違いがみられなかったが、膝屈曲筋力においてはバックス(BK)はフォワード(FW)に比べ180(BK:1.64 Nm/kg、FW:1.42 Nm/kg)、300(BK:1.38 Nm/kg、FW:1.20 Nm/kg)deg/secにおいて有意に高い値を示した。ペダリングでの最大パワー、持久パワーには有意な違いはみられなかったが、低下率はBKの方が有意に高かった(BK:25%、FW:19%)。また、持久パワーの高かった順でグループに分けた場合には、持久パワーが高かったグループは、低かったクループに比べ、低下率(高かったグループ:16%、低かったグループ:28%)が有意に低かったが、最大パワー(高かったグループ:11.3 W/kg、低かったグループ:11.7 W/kg)に有意差は見られなかった。持久パワーは、無酸素能力の持久力を測定する指標として重要であることが示唆された。
著者
石原 邦雄 松田 苑子 田渕 六郎 平尾 桂子 永井 暁子 西野 理子 施 利平 金 貞任 加藤 彰彦 西村 純子 青柳 涼子
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本、中国、韓国の研究者がそれぞれ自国での家族の総合調査のミクロデータを提供し合い、共同利用する体制を作って比較分析を積み重ねるという新たな試みとなる国際共同研究に取り組み、最終的にChanging Families in Northeast Asia : China, Korea, and Japan. Sophia University Pressという、共同研究者12名の論文を含む出版物の形で成果をまとめた。多彩な分析結果を大きくくくると、(1)人口の少子高齢化と経済社会のグロ-バル化および個人化という同一方向での変化のインパクトのもとで、3カ国の家族が、遅速の差はあれ、共通方向での変化を遂げつつあること、(2)しかし同時に、各国の社会文化的伝統の影響の強弱によって、3カ国の家族の世代間関係と夫婦関係のあり方や変化の仕方に違いが生じていることも併せて明らかにされた。
著者
太田 恵 大畑 光司 建内 宏重 西村 純 森 公彦 市橋 則明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.753-757, 2008 (Released:2009-01-28)
参考文献数
20
被引用文献数
5 2

[目的]歩行障害を有する整形外科疾患患者に対し,体重免荷トレッドミル歩行トレーニング(Body Weight Support Treadmill Training:以下BWSTT)を施行し,その即時効果を明らかにすることを目的とした。[対象]歩行障害を有する整形外科疾患患者20名を対象とした。[方法]BWSTTを施行し,その前後の平地歩行における10 m歩行速度,歩幅,歩行中の歩きにくさ・重だるさ・疼痛の程度を比較した。[結果]BWSTT後では,10 m歩行速度の増大および歩幅の拡大がみとめられ,さらに歩行中の歩きにくさ・重だるさ・疼痛の程度はいずれの項目においても有意に低下していた。[結語]本研究により整形外科疾患患者を対象としたBWSTTでは即時効果があることが示唆された。
著者
山上 隆正 藤井 正美 西村 純 村上 浩之 平島 洋 奥平 清昭 梶原 正男 小玉 正弘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.p901-920, 1977-09

トンプソン(地磁気緯度66.9゜N)でオーロラX線の気球観測を1975年4月8日UT,9日UTに行った.観測装置としては天頂方向を向いた全視野角70°のNaI(TI)カウンタ,天頂角17.5°に傾いた全視野角35゜のNaI(TI)カウンタ,および天頂方向で10°のtransmission hand幅をもったmodulation colhmator付きNaI(TI)カウンタを用いた X線のエネルギー範囲は15~85KeVである. カウンタをとりつけたゴンドラを3 rpmで回転させ,方位角をGAで測定した.ノマックグラウンドX線の10~10^4倍に達する活発なオーロラX線バーストを多数回観測した.特に4月9日UTの観測ではLTで真夜中頃,特長あるオーロラX線バーストの2 eventsが観測され,それらのeventsの詳しい解析が行われた.0532 UTに観測したeventでは直経20 kmのオーロラX線源が16秒間,2km s^<-1>の速さで北西から南東に移動した.もう一つのeventでは0613 UTから2分間にわたって真南の方向からのオーロラX線を観測した.この場合は,オーロラX線源として円板型とarc型の二通りのモデルを仮定してsimulation計算を行い,観測と比較しオーロラX線源の方向と大きさをきめた.資料番号: SA0124790000
著者
西村 純子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12-2, pp.223-235, 2001-03-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
29

主婦とは、家事・育児などの家庭責任を負う女性を指す実態的カテゴリーであると同時に、女性を家事・育児の責任者とするような意味・モノ・行為の体系から成る制度である。中年女性のライフ・ストーリーの分析を通して明らかになったのは、主婦という制度は女性たちの違和感を内包しながら維持されており、彼女たちの違和感とは、主婦であり続けることの選択不可能性、「専業」主婦という立場の不安定性、身体化された家事の拘束力に対するものであること、そこには高度成長期以降の女性の就労をめぐる意味内容の変化や性別分業規範の流動化といった歴史的社会的状況がかかわっているということである。今日的な状況における主婦という制度をめぐる社会学的研究は、主婦をめぐる選択がどのような条件のもとで、どのように引き受けられているかに注目することによって、主婦という制度がいかに生成・変容しているかを記述していくことが必要である。
著者
太田 茂雄 松坂 幸彦 鳥海 道彦 並木 道義 大西 晃 山上 隆正 西村 純 吉田 健二 松島 清穂
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
no.34, pp.1-15, 1997-03

低温性能に優れたポリエチレンフイルムの出現により, プラスチック気球による宇宙科学の観測は大幅な進歩を遂げてきた。気球の容積も10^6m^3級のものが実用化され, 2&acd;3トンの観測機器を搭載して高度40km程度の観測が行われるようになってきた。最近ではその成功率はほぼ100%に近い。ポリエチレン気球は優れた安定性を持っているが, ゼロプレッシャ気球であるために夜間気球内のガス温度が低下して, バラストを投下せねば一定高度を保つ事はできない。バラストの投下量は緯度にもよるが, 日本のような中緯度の上空では一晩に10%弱のバラスト投下が必要である事がこれまでの数多くの実験で確かめられている。したがって数日間の浮遊の後には, バラストは使い果たし, 観測を続けることはできない。この欠点を避けるために提案されたのがスーパープレッシャ気球である。スパープレッシャ気球は内圧のかかった気球で, 夜間気球内のガス温度が低下しても, 内圧が低下するだけで容積は変わらず, 水平浮遊の高度を保つ事ができる。バラストの投下が不必要で, 長時間にわたる観測が可能になる。ただし, 内圧がかかるために気球被膜はゼロプレッシャ気球に比べて, 強度の高いものが必要となり, またガスの漏洩があってはならない。最初に着目されたのはポリエステルフイルム(マィラー)である。ただし, マイラーはポリエチレン気球に比べると低温性能がわるく, また気球製作も難しいので, 現在のところ実用上は5000m^3程度の小型の気球のものにとどまっている。より性能の優れた気球用フイルムの研究は現在世界各国で行われており, 近い将来, 高性能の気球が出現し, 観測項目によっては人工衛星にくらべて極めてコストパーフォーマンスのよい気球が出現するものと考えられている。わが国では, クラレ社のEVALフイルムに着目し, その性質を調べると共に, 実際に気球を試作してその性質を調べている。EVALフイルムの際立った特徴はマイラーとほぼ同じ程度の強度を持つと同時に, 熱接着が可能な事, 特異な赤外線吸収バンドを持っている点である。スーパープレッシャ気球の材料として有望である。また同時に, 赤外線吸収バンドの関係で, 夜間での気球内ガス温度の低下がポリエチレン気球に比べてほぼ半減し, バラストの消費量が著しく節約できる事が期待出来る[1]。1996年の初めに小型のEVAL気球の試験飛翔を行なったが, その結果は良好であった。今後, 更に小型気球の飛翔試験を行い, 大型化して長時間観測のための優れた性能を持つ長時間観測用の気球を完成したいと考えている。ここではまず長時間観測システムの現状を概括する。ついでEVALフイルムについての特性, 特に熱接着法, 低温における接着強度と赤外の吸収バンドについて述べる。最後に昨年行われた, 試験飛翔の結果の解析, ついで将来のEVAL気球の展望について触れる事とした。資料番号: SA0167081000

1 0 0 0 OA エバール気球

著者
太田 茂雄 松坂 幸彦 鳥海 道彦 並木 道義 大西 晃 山上 隆正 西村 純 吉田 健二 松島 清穂 OHTA Sigeo MATSUZAKA Yukihiko TORIUMI Michihiko NAMIKI Michiyoshi OHNISHI Akira YAMAGAMI Takamasa NISHIMURA Jun YOSHIDA Kenji MATSUSHIMA Kiyoho
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: 大気球研究報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-15, 1997-03

低温性能に優れたポリエチレンフイルムの出現により, プラスチック気球による宇宙科学の観測は大幅な進歩を遂げてきた。気球の容積も10^6m^3級のものが実用化され, 2&acd;3トンの観測機器を搭載して高度40km程度の観測が行われるようになってきた。最近ではその成功率はほぼ100%に近い。ポリエチレン気球は優れた安定性を持っているが, ゼロプレッシャ気球であるために夜間気球内のガス温度が低下して, バラストを投下せねば一定高度を保つ事はできない。バラストの投下量は緯度にもよるが, 日本のような中緯度の上空では一晩に10%弱のバラスト投下が必要である事がこれまでの数多くの実験で確かめられている。したがって数日間の浮遊の後には, バラストは使い果たし, 観測を続けることはできない。この欠点を避けるために提案されたのがスーパープレッシャ気球である。スパープレッシャ気球は内圧のかかった気球で, 夜間気球内のガス温度が低下しても, 内圧が低下するだけで容積は変わらず, 水平浮遊の高度を保つ事ができる。バラストの投下が不必要で, 長時間にわたる観測が可能になる。ただし, 内圧がかかるために気球被膜はゼロプレッシャ気球に比べて, 強度の高いものが必要となり, またガスの漏洩があってはならない。最初に着目されたのはポリエステルフイルム(マィラー)である。ただし, マイラーはポリエチレン気球に比べると低温性能がわるく, また気球製作も難しいので, 現在のところ実用上は5000m^3程度の小型の気球のものにとどまっている。より性能の優れた気球用フイルムの研究は現在世界各国で行われており, 近い将来, 高性能の気球が出現し, 観測項目によっては人工衛星にくらべて極めてコストパーフォーマンスのよい気球が出現するものと考えられている。わが国では, クラレ社のEVALフイルムに着目し, その性質を調べると共に, 実際に気球を試作してその性質を調べている。EVALフイルムの際立った特徴はマイラーとほぼ同じ程度の強度を持つと同時に, 熱接着が可能な事, 特異な赤外線吸収バンドを持っている点である。スーパープレッシャ気球の材料として有望である。また同時に, 赤外線吸収バンドの関係で, 夜間での気球内ガス温度の低下がポリエチレン気球に比べてほぼ半減し, バラストの消費量が著しく節約できる事が期待出来る[1]。1996年の初めに小型のEVAL気球の試験飛翔を行なったが, その結果は良好であった。今後, 更に小型気球の飛翔試験を行い, 大型化して長時間観測のための優れた性能を持つ長時間観測用の気球を完成したいと考えている。ここではまず長時間観測システムの現状を概括する。ついでEVALフイルムについての特性, 特に熱接着法, 低温における接着強度と赤外の吸収バンドについて述べる。最後に昨年行われた, 試験飛翔の結果の解析, ついで将来のEVAL気球の展望について触れる事とした。
著者
西村 純 太田 茂雄
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2_B, pp.379-384, 1967-06

資料番号: SA0125001000
著者
西村 純 矢島 信之 藤井 正美 横田 力男 Nishimura Jun Yajima Nobuyuki Fujii Masami Yokota Rikio
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: 大気球研究報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.13-19, 1990-12

この論文では金星大気の運動や組成を観測する金星気球を開発するため, 金星気球のモデル試験の方法を提案する。金星浮遊気球としては, いくつかの形態が提唱されてきたが, ここでは適当な液体をつめた相転移気球について詳しく検討する。金星大気の主成分は炭酸ガスで, 高度が下がるとともに温度が上昇するので, 気球内に入れた液体が蒸発して浮力を生ずる。ある高度を境として蒸発と液化が起こるので, 気球は一定高度に安定に浮遊することができる。金星大気から金星気球への熱伝達について詳しく解析するとともに, 温度勾配をつけた小型の水槽にモデル気球を浮かべて, 相転移気球の試験を行えることを実証した。
著者
西村 純 市橋 則明 南角 学 中村 孝志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A3O2037, 2010

【目的】スポーツ選手の能力を評価する時には、筋力や持久力、バランス能力やパフォーマンス能力のみならず、Stretch-Shortening Cycle(SSC)能力を評価することがある。SSC能力は短時間で大きな力を出す能力の指標であり、スポーツ選手の能力を左右する。しかし、客観的にSSC能力を評価するためには特殊な測定機器が必要であり、スポーツ現場で容易に評価することはできない。本研究の目的は、幅跳びと三段跳びの跳躍距離を用いて算出した指標がSSC能力の評価法として有用であるかを検討することである。<BR>【方法】対象は健常男子大学ラグビー部員54名(年齢:20.3±1.3歳、身長:172.8±5.2cm、体重:72.5±6.9kg)とした。下肢運動機能の評価として、片脚パフォーマンステスト、下肢筋力測定を実施した。測定肢は全例右側とした。片脚パフォーマンステストは、6m Hop、Side Hop、垂直跳び、幅跳び、三段跳びとした。6m Hopは同側の脚でHopしながら前方に進み、6m進む時間を測定した。Side Hopは30cm幅を同側の脚にて10回(5往復)飛び越える時間を測定した。垂直跳びは助走せずに片脚にて上方に跳び、幅跳びは助走せずに片脚にて前方に跳び、三段跳びは助走せずに同側の脚にて前方へ3回連続で跳び、その距離をそれぞれ測定した。垂直跳び、幅跳び、三段跳びは最終時点での着地は両側とした。テストはそれぞれ2回実施し、最大値を採用した。下肢筋力の測定には、等速性筋力評価訓練装置MYORET(川崎重工業株式会社製RZ450)を用い、膝伸展・屈曲筋力をそれぞれ角速度60・180・300deg/secにて測定し、トルク体重比(Nm/kg)を算出した。SSC能力の指標として、三段跳びから幅跳びを3倍した値を引いた値を算出した。この値が全対象者の平均値以上であったものをSSC能力の高いA群、平均値以下であったものをSSC能力の低いB群とした。各測定項目の2群間の差の比較には、対応のないt検定を用い、危険率5%未満を統計学的有意基準とした。<BR>【説明と同意】各対象者に対し、本研究の目的・方法を詳細に説明し、同意を得て実施した。<BR>【結果】A群(25名)とB群(29名)の年齢(A群:20.4±1.3歳、B群:20.2±1.2歳)、身長(A群:171.8±5.1cm、B群:173.6±5.2cm)、体重(A群:71.9±6.6kg、B群:73.1±7.2kg)に有意差は認められなかった。片脚パフォーマンステストでは、Side HopはA群3.55±0.41秒、B群3.66±0.52秒で、A群はB群と比較して有意に速い値を示した(p<0.05)。6m HopはA群1.92±0.22秒、B群2.04±0.20秒であり、A群はB群と比較して有意に速い値を示した(p<0.05)。垂直跳び(A群:39.9±4.7cm、B群:40.3±8.3cm、p=0.82)、幅跳び(A群:181.6±18.3cm、B群:188.6±16.6cm、p=0.15)では両群間に有意差は認められなかった。三段跳びはA群607.3±61.6cm、B群572.8±52.9cmであり、A群はB群と比較して有意に高い値を示した(p<0.05)。下肢筋力では、膝伸展筋力は全ての角速度において2群間で有意な差は認められなかった。膝屈曲筋力は60deg/secでは有意な差は認められなかったものの、180deg/sec(A群:1.58±0.21Nm/kg、B群:1.44±0.27Nm/kg、p<0.05)および300deg/sec(A群:1.37±0.21Nm/kg、B群:1.18±0.22Nm/kg、p<0.01)ではA群はB群と比較して有意に高い値を示した。<BR>【考察】幅跳びと三段跳びの跳躍距離から算出した指標よりSSC能力が高いと判断した群においては、6m HopやSide Hopといった敏捷性を要する能力が高く、中・高速度での膝関節屈曲筋力が大きい値を示した。客観的にSSC能力を評価できる機器を用いた先行研究では、SSC能力が高いと敏捷性能力が高く、また高速度での膝関節屈曲筋力が大きくなると報告されており、本研究の結果と一致する。以上から、幅跳びと三段跳びの跳躍距離から算出した指標は、SSC能力を反映していると考えられ、スポーツ現場で簡便に利用できる評価法として有用であることが示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から、スポーツ現場で簡便に行える幅跳びおよび三段跳びの跳躍距離からSSC能力を評価できることが示唆され、理学療法研究として意義があるものと考えられた。
著者
谷口 晋 生山 祥一郎 安田 幹彦 森 正樹 西村 純二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.341-346, 2005 (Released:2008-04-11)
参考文献数
36
被引用文献数
2

症例1は48歳, 男性. 急性〓桃炎罹患後, 顎下部の腫脹・疼痛・熱感が出現. CTにて顎下部にガスを多量に含む顎下隙膿瘍を認め, 切開排膿後ドレナージ, 抗菌薬にて治癒した. Prevotella 属, Streptococcus milleri 属を検出した. 症例2は75歳, 女性. 関節リウマチ (RA) の増悪を疑われて入院後, 突然ショック状態となり, 上腹部の筋性防御と肝胆道系酵素の上昇を認めた. CTにて肝左葉に大量のガスが貯留する肝膿瘍を認め, ドレナージ, 抗菌薬にて治癒した. Klebsiella pneumoniae, Enterococcus raffinosus を検出した. 症例3は45歳, 女性. RAの経過中に両下腿後面の疼痛・熱感・緊満感を訴えた. MRIにて両側腓腹筋部皮下にガスを混在した蜂窩織炎を認め, 抗菌薬にて治癒した. これら3症例は糖尿病患者に発症したガス産生性感染症で, 非Clostridium 属が起因菌となることが多いことがあらためて示唆された.