著者
森田 尚人 福田 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.149, 2009

鉄道利用環境の迷惑行為の低減に向けて、事業者は様々な対策を実施している。しかし、その対策は迷惑行為と遭遇しない場合でも実施されており、この影響について検討する研究は少ない。そこで本研究では、まず予備的な検討として、各迷惑事例を詳細な特性から把握する。通学に鉄道を利用する大学生39名に対し、別の調査で収集した迷惑行為27事例について「迷惑評価」に加え、「わざとやっている(故意性)」、「我慢できる」、「利用環境が悪くなる」といった側面からクラスター分析による分類を行った。その結果、3分類の採用が妥当と考え、それぞれ、乗車時マナー違反、自己中心的マナー違反、社会規範的マナー違反と命名した。この分類について、「鉄道係員への抑止要望」の評価から1要因の分散分析により比較したところ、主効果が有意であった(F(2,76)=235.3 p<.00)。多重比較の結果、社会規範的マナー違反(M=4.31,SD=1.07)は乗車時マナー違反(M=3.06,SD=1.02)よりも有意に高く、 自己中心的マナー違反(M=5.62,SD=0.81)は他の群よりも有意に高かった。すべての群間に有意な差がみられた。本研究で示された結果をもとに、今後の鉄道利用環境における具体的なマナー向上対策について検討していきたい。

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こんな論文どうですか? 鉄道利用における迷惑行為の分類::通学時に鉄道を利用する大学生を中心に(森田 尚人ほか),2009 https://t.co/o9Wk1HCx59
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