著者
菊地 史倫 佐藤 拓
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.135-135, 2010

日常的な葛藤場面において、嘘の内容(生起確率低の嘘・生起確率高の嘘)と嘘の露見(露見前・露見後)が弁解の効能の認知に与える影響を検討した。150人の大学生は、自分の遅刻理由を偽った弁解をするが最終的にその嘘が露見してしまう状況のシナリオを読んだ。そして、参加者は嘘露見前後に弁解を聞いたときの相手の怒り、弁解の効能(ゆるし・制裁行動)と信憑性について評定した。その結果、嘘露見前は嘘の内容に関わらず相手の怒りを低く、遅刻に対するゆるしを高く、制裁行動を低く評価した。その一方で、嘘露見後は嘘の内容に関わらず相手の怒りを高く、遅刻に対するゆるしを低く、制裁行動を高く評価した。また、嘘露見前は生起確率低の嘘よりも生起確率高の嘘の信憑性が高く評価されたが、嘘露見後は内容に関わらず信憑性が低く評価された。これらの結果から、嘘が弁解として機能するためには嘘が露見しないという前提が必要なことが示された。

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