- 著者
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向居 暁
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2011, pp.136-136, 2011
本研究は、符号化時と検索時における自然音の差異がカテゴリーリストの再認、および、虚再認にどのような影響を及ぼすかを検討した。全ての被験者(73名)は音声呈示されたカテゴリーリスト(5リスト、15項目)を雨の音を聞きながら聴取した。直後再認課題(冊子にて視覚呈示)においては、ある被験者群(37名)は符号化時と同じ雨の音を聞きながら行った(雨音群)のに対し、別の被験者群(36名)は全く別の風の音を聞きながら課題を行った(風音群)。その結果、風音群は、雨音群より正再認率が有意に高くなった。さらに、風音群の方が、ルアー項目の虚再認率、および、remember判断率において有意に高くなった。再認時に呈示された雨の音が、単語を「再認する」という行為を全体的に抑制する可能性が示唆された。