著者
向居 暁 中垣 有紀子
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:21865590)
巻号頁・発行日
no.16, pp.79-96, 2021-03-01

The purpose of this study was to understand what factors, in terms of obsessive-compulsive tendency and parent-child confidential relationships, affect the hesitation in eating rice balls made by others. In this study, conditions of making methods of rice balls (made with bare hands or with using plastic wrap) and of makers of rice balls (made by their own family members or by people other than family members) were examined. The results indicated that, even though rice balls were made by family member or not, and with bare hands or with plastic wrap," becoming contaminated" in obsessive-compulsive tendency could positively predict and "mentoring" of father in parent-child confidential relationship negatively predicted the hesitation in eating rice balls made by others. In addition, it is found that mother's and father's confidential relationship with child have differential effects to the hesitation in eating rice balls made by others. Lacks of" parent support" and" benevolent watch" of mother, and" emotional control" of father affected the hesitation in eating rice balls made by others, yet depending on the conditions. The results suggested that it is important to avoid excessive cleannessconscious attitudes at home and to develop a good parent-child confidential relationship, in order to reduce a feeling of hesitation in eating rice balls made by others.
著者
向居 暁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.143, 2015 (Released:2015-10-21)

「運命の出会い」という言葉は日常生活でよく聞く言葉である。本研究では、女子大学生を調査対象にし、初対面の異性と出会う仮想場面を設定し、その人物の外見的魅力、および、出会い状況の偶然性を操作することで、「運命の出会い」と感じる傾向に差異がみられるのかについて検討した。その結果、1つの仮想場面のみであるが、外見的魅力の高い人ほど、その出会いが運命だと感じられ、内面的魅力が高く、好意的に感じられることがわかった。また、外見的魅力が低い人において、偶然性は、運命度を高めないまでも、内面的魅力と好意度を上昇させることがわかった。
著者
向居 暁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.41-44, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
20

本研究では,都道府県(以下,県)の形とその名称の対連合学習において,素朴理論に基づいて考案された2種類の指導方法の有効性が検討された.その方法の一つは,学習教材にあるように県の形をイラスト化するものであり,もう一方は,県の形を利用して奇異性の高い,すなわち,面白おかしいイラストを付加したものであった.その結果,これらの2つの学習条件では,県の形をそのまま提示した条件よりも県名の記憶成績が低いことが明らかになった.つまり,県の形をイラスト化しても,そのイラストを面白おかしくしても,県名の記憶は促進されないことがわかった.素朴理論ではなく,科学的知識に基づいた指導方法の重要性が示唆された.
著者
向居 暁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.131, 2017 (Released:2017-10-16)

本研究の目的は、県の形と県名の対連合学習において,奇異性・新奇性の高いと考えられる県の形のイラストの有効性を検討することであった。その結果,県の形と県名の対連合学習において、奇異性・新奇性の高い県の形のイラストは、県名の学習に効果的であるとはいえないどころか、逆効果であることがわかった。この結果は,都道府県の形のイラスト化によって県名の記憶の促進効果を見いだせなかった向居(2016,教心発表)と一致したものであった。
著者
向居 暁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.61, 2019 (Released:2019-10-28)

何度も目にしているはずの建物がなくなり,更地になっていたり別の店舗になっていたりするときに,以前どのような建物や店舗がそこにあったのか思い出せないのはなぜだろうか。本研究は,街並みにおける建物の変化に気付いたり,以前の建物を想起したりすることに影響する要因について実験的に検討することを目的とした。その結果,変化箇所には気付いたものの,変化以前の建物情報がわからない状態は,「異業種,建替え,空き地>同業種(異業種>空き地)」となった。異業種間の変化は,以前と同じ建物に異なる業種の店があるという違和感が検出率を高めたのだろう。また,変化以前の建物情報の完全な想起は,「同業種>異業種≒空き地≒建替え」となった。同業種間の変化は,変化自体には気付きにくいが,一度変化箇所に気付いてしまえば,変化以前と同じ建物と業種が建物情報を想起するうえでの強力な手がかりとなることが示唆された。
著者
向居 暁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.143, 2015

「運命の出会い」という言葉は日常生活でよく聞く言葉である。本研究では、女子大学生を調査対象にし、初対面の異性と出会う仮想場面を設定し、その人物の外見的魅力、および、出会い状況の偶然性を操作することで、「運命の出会い」と感じる傾向に差異がみられるのかについて検討した。その結果、1つの仮想場面のみであるが、外見的魅力の高い人ほど、その出会いが運命だと感じられ、内面的魅力が高く、好意的に感じられることがわかった。また、外見的魅力が低い人において、偶然性は、運命度を高めないまでも、内面的魅力と好意度を上昇させることがわかった。
著者
向居 暁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.136-136, 2011

本研究は、符号化時と検索時における自然音の差異がカテゴリーリストの再認、および、虚再認にどのような影響を及ぼすかを検討した。全ての被験者(73名)は音声呈示されたカテゴリーリスト(5リスト、15項目)を雨の音を聞きながら聴取した。直後再認課題(冊子にて視覚呈示)においては、ある被験者群(37名)は符号化時と同じ雨の音を聞きながら行った(雨音群)のに対し、別の被験者群(36名)は全く別の風の音を聞きながら課題を行った(風音群)。その結果、風音群は、雨音群より正再認率が有意に高くなった。さらに、風音群の方が、ルアー項目の虚再認率、および、remember判断率において有意に高くなった。再認時に呈示された雨の音が、単語を「再認する」という行為を全体的に抑制する可能性が示唆された。
著者
向居 暁 佐藤 純 DEHON Hedwige
出版者
高松大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、実験室におけるDRM課題による虚記憶と現実世界で生起すると考えられる自伝的虚記憶との関連性を、連想活性化、及び、モニタリングに係る個人変数を通して検討することであった。本研究では、日常において空想的に生じる自伝的虚記憶として、「心霊体験」が仮定され、そして、その生起に関与する個人変数として、心霊信奉はもとより、解離体験、認知スタイルなどが検討された。その結果、予測に反して、DRM虚記憶と自伝的虚記憶との間には、それぞれに関与するいくつかの個人変数は示されたものの、強い関連性は認められなかった。