著者
鈴木 結里加 種村 麻美 西堀 すき江
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】当研究室の先行研究で愛知県特産である越津ネギは、血小板凝集抑制作用が強いことを認めている。今回は、越津ネギについて部位(下部、中間、上部)による違い、旬と端境期による違い、生と加工処理における違いについて血小板凝集作用の変化について検討した。また比較として、市販のネギを用いて品種による違いを比較検討した。<br>【方法】試料としては一般市場で販売されている旬(12~3月)の愛知県産 越津ネギ及び山形県産 白ネギ、静岡県産 葉ネギを用いた。血液は11週齢前後のラット(wister系、雄)を用いて腹部大静脈より採血し、遠心分離にかけ得られた多血小板血漿(PRP)と乏血小板血漿(PPP)を用いた。PRPにはコラーゲンを添加しMCM社製のヘマトレーサー313Lを用いて測定し抑制率の強い試料についてはさらにIC50値を求め比較を行った。<br>【結果】越津ネギは、他の野菜と比較して抑制率が強かった。部位別では中間部の抑制率が最も高値を示し、上部、下部の順で低くなった。白ネギ、葉ネギの抑制率は比較的高値を示したが、越津ネギと比較すると30%程度低下した。生と乾燥処理による比較では、乾燥処理の抑制率が生よりも20~40%程度低下する傾向が見られた。<br>【考察】越津ネギでは中間部が最も高値を示した。一般的にはアルキル ジスルフィド等の硫化アリル系物質が多く含有される白色部分が血小板凝集抑制作用は強いと考えられているが、越津ネギのような長ネギでは中間部分の血小板凝集抑制作用が高くなった。今後血小板凝集抑制作用への各成分の寄与を検討していきたいと考えている。いずれにしてもネギの摂取は、血栓予防につながるため積極的に摂取することが推奨される。

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