- 著者
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四宮 陽子
夛名賀 友子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.25, 2013
【目的】一般的に嚥下困難者の食事は、外観、味共に好ましくない料理が多く、「えん下困難者用食品」の市販品も少ない。高齢化が進行する社会的なニーズからも嚥下困難者の食事をおいしく調製することは大きな課題となっている。消費者庁の定める「えん下困難者用食品」許可基準3は、やわらかいペースト状又はゼリー寄せのように複数の食材や不均質の物を含んでも良い。そこでこの基準に該当するおいしい食事を調製することを目的とし、公開されている流動食のレシピを調査して調製法を検討、食事つくりとテクスチャー測定を行った。 【方法】調査はインターネットや文献、またホテルメトロポリタンエドモンドのフレンチレストラン「フォーグレイン」で流動食フルコースを体験した。これらを基に鮭のムース(以下Aとする)、パンのムース(以下Bとする)、比較としてヨーグルトナチュレ恵(日本ミルクコミュニティ(株)以下Cとする)を調製した。テクスチャーはクリープメーター(RE2-3305B、(株)山電)、テクスチャー解析Ver.1.3で消費者庁の基準に準じて測定し、消費者庁の「えん下困難者用食品」許可基準3、嚥下食ピラミッド、ユニバーサルデザインフード(以下UDFとする)と比較検討した。 【結果】好まれる流動食は色が美しく、色の混濁を避けるため食材は単一でミキサーにかけてピューレにする、食材の味、旨味、風味を引き出す為にじっくり煮込む、食感をなめらかにするためにミキサーで粉砕、裏ごすなどを行っていた。この結果を参考にAは主材料の鮭、はんぺん、豆腐にコンソメスープを加えミキサーで粉砕、Bはパンのクラムと牛乳を煮詰め、蜂蜜を加えミキサーで粉砕を繰り返した。Cはヨーグルトに砂糖を加え攪拌した。テクスチャーは許可基準3の範囲に入り、嚥下食ピラミッドではL2~L3、UDFかたさ区分では3~4の範囲であった。