著者
中山 優子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】日本人の平均寿命は男性79.59歳、女性86.35歳と世界一位を維持し、出生率の低下も続いており急速に人口高齢化が進んでいる。人口高齢化に伴い摂食・嚥下障害の人も増える事が予測される。摂食機能が低下した高齢者が口から安全に美味しく食べることは栄養管理として重要な要因である。そこで、本実験では、摂食機能におうじて展開された献立と具材料のテクスチャ特性の硬さ、凝集性、付着性の3つの要素から調査したので報告する。【方法】1.食べる人の摂食機能に対応した食事の形態区分、調理形態の分類を4段階に示した 2.テクスチャー測定は、クリープメーター自動解析装置(山電CA-3305)を用いた。測定方法は、厚生労働省が示した高齢者用食品の試験方法に従った。 3.分析方法は、硬さ、凝集性、付着性それぞれの区分ごとに行った。【結果】段階的に展開した献立例は、主食1例、主菜3例、副菜2例、間食2例の合計8献立。食形態区分は、Ⅰの普通軟らか食、Ⅱの軟らか一口大食、Ⅲの軟らか刻み食、Ⅳのペースト・とろみ食からなる。硬さは、Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ.Ⅳへと展開することで軟らかくなった。また、献立の具材料の単品食材では硬さの差が大きく、複合することで軟らかい値となった。付着性および凝集性が大きい値の献立は単品食材を複合することで、口の中でまとめ易い食形態になる。付着性が小さく、凝集性が大きい値の献立は単品食材を複合することで、滑らかで喉ごしが良い食形態になる。【考察】摂食・嚥下が困難な食材であっても、食材の組み合わせ、形態、調理方法を工夫することで、摂食機能に応じた献立として活用可能になると考える。

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