著者
中村 英人
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.147, 2011

生物の進化にともない生合成経路も進化してきた。分類群ごとに特徴的な化合物組成は化石の形態形質同様に生物とその生合成経路の進化過程について重要な示唆を与える。生物由来の有機分子は生体の死後,生物分解や化石化過程を経て失われてゆくが,一部の脂質分子は地質学的時間を経てなお残存し,古生代や中生代など古い時代の堆積物からも検出される。特定の起源生物に由来することが明らかな化合物はバイオマーカー(分子化石)として,それらの生物の起源の探索や古環境復元などに応用されてきた。近年,分子生物学の発展に伴い,多様な生体化合物の代謝生理が急速に明らかになりつつある。化合物レベル,骨格レベルでの生合成経路と生理機能の解明は,テルペノイドバイオマーカーの起源分類群の化石形態には残らないような古生態学的特徴を復元する手がかりになり,起源分類群の進化過程についてもいっそうの理解をもたらす可能性がある。

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CiNii 論文 -  被子植物の進化における分子古生物学的視点: 高等植物テルペノイドの代謝生理から https://t.co/VTz4hcDLTK #CiNii #古生物学 #分子古生物学 #化学

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