著者
内田 育恵
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.143-147, 2015

聴覚障害は加齢とともに有病率が高くなる代表的な老年病で,われわれが地域住民対象研究から算出した推計値によると,65歳以上の高齢難聴者は全国で約1,500万人に上る.わが国が対応すべき緊要な課題の一つである.<br>個人や社会に対して高齢期難聴がもたらす負の影響は,抑うつ,意欲や認知機能の低下,脳萎縮,要介護または死の転帰にまで及ぶと報告されている.一方,高齢期難聴に対する介入の有効性検証はいまだ限定的である.現時点では,補聴器使用により認知機能維持や抑うつ予防が可能かどうか結論にいたっていない.<br>年齢がより高齢になると,語音明瞭度は悪くなり補聴効果をすぐに実感するのは困難になる.補聴による聴覚活用は"リハビリテーション"であって,トレーニングによる恩恵が,耳以外にも波及する可能性があることを,難聴者本人や社会に向けて啓発する必要がある.

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本文[おわりに]より引用 "高齢期の難聴は,個人や社会にさまざまな負の影響をもたらす.補聴による聴覚活用は"リハビリテーション"であって,トレーニングによる恩恵は,耳以外にも波及する可能性がある." CiNii 論文 -  高齢期難聴がもたらす影響と期待される介入の可能性 https://t.co/no22FJJzTt

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