著者
山本 幸生 飯國 芳明
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.88-93, 2014

中山間の条件不利地域では人口減少により,都市に在住する相続人に土地の所有権が移転し,相続人が山間部にある土地の状況だけでなく,所在すら認識できない事態が頻発している。こうした状況は所有権を有していながら,その管理を放棄するいわば権利の空洞化が進んでいることを示している。所有権が空洞化すれば,現在の集落での起業や経営規模の拡大などの土地の有効利用や環境整備の機会が失われるだけでなく,将来にわたって森林等の資源の有効利用や環境整備の機会が失われていく。本稿では中山間地域での土地所有権の空洞化対策の取組の方向性を検討するため,(1) 土地所有情報の構造の整理,(2) GISによる可視化,(3) これらの情報を元にして筆界確定や相続登記について経費の推計を行うなどの基礎的作業を行うことを課題とした。調査地の高知県大豊町は,全国に先駆けて人口減少や高齢化が進み,大野晃(2005)が限界集落を概念化する際にフィールドとした地域のひとつである。

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