著者
村木 美貴
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.602-607, 2015

オリンピックは地域の都市再生を推進する契機となりえる。本研究は英国の面的市街地再開発、特に、ロンドン・オリンピック・パーク(以下、オリンピック・パーク)に着目し、大規模な面的市街地開発の中でどのような計画間と主体間の連携が存在し、それがオリンピック後の都市づくりに活かされているのか明らかにすることを目的とする。研究の構成は以下の通りである。まず、オリンピックに関連する主体と計画の関係を明らかにした上で、オリンピック・パーク整備の方針をロンドン市と基礎自治体について見る。最後に大会のテーマである低炭素を基軸に、その政策と分散型エネルギーネットワークの導入における主体間連携について議論する。研究を通して、(1)横と縦の計画間の連携は十分図られていたが、全体最適が地域の課題となるケースも見られるため、インフラ整備のための資金を広域で提供すること、ハコもの整備のための資金提供を超えて、住民サービスなども含めたソフト事業に対しても、細かく対応すること、(2)投資回収に時間のかかる地域冷暖房事業では、契約のための透明なプロセスと、市民、民間、公共にとってメリットが享受できる状況を考えることを指摘した。

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