著者
釜崎 太
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.23_2-23_2, 2016

<p> スポーツを文化として根づかせる&mdash;このテーマに関して、参考にすべき模範的事例としてドイツのスポーツを思い浮かべるひとは少なくないだろう。例えば、地域スポーツの振興をひとつの理念として発足したJリーグ、あるいは人々の生活の充実に寄与することを目指した総合型地域スポーツクラブ。それらの模範像がドイツに求められてきたことは周知の通りである。スポーツクラブの地域性や公共性だけではなく、観客動員数世界一と言われるブンデスリーガの潜在的ニーズを掘り起こしているのも、地域のクラブである。では、私たち日本人は、ドイツの何に学ぶことができるのか。</p><p> 本報告では、第一に、大島鎌吉がみたであろうドイツの原風景について、カール・ディームとスポーツクラブとの関連から報告する。第二にしかし、大島が理想をみていた当時とは異なるディーム像をめぐって、ドイツ国内で大きな波紋を呼んでいる「ディーム論争(Diem-Debatte)」の現状(釜崎の分析ではなく)を伝える。第三に、その論争を超えて、日本にスポーツを文化として根づかせるために必要ないくつかの論点に言及したい。</p>

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