- 著者
-
野口 亜弥
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.67, pp.47_3-47_3, 2016
<p> スポーツ界において女性ロールモデルの増加は、女性のスポーツ参加を促し、彼女らの引退後のスポーツへ関わり方に影響を与えるのではないか。米国では女性も当たり前にプロの監督になることができる環境が整っており、指導者として引退後のキャリア形成を目指す女性アスリートに多く出会うことができた。スウェーデンの女子プロサッカーリーグに所属する選手は、プロモーションビデオやファンサービスを通じて、その地域のアイコン的存在となり、子どもたちの憧れの的となっていた。アスリートや指導者といったスポーツ界におけるロールモデルを身近に感じることで、選手や子どもたちの選択の幅を広げることができるのではないか。さらに、近年ではスポーツを通じて女性の社会参画を促すプログラムが開発途上国で多く行われており、ザンビアではスポーツ界における女性リーダーを育成し、彼女らの取り組みをメディアで効果的に発信することにより、社会に根付く女性イメージの変革に挑戦している。2020年東京に向けて、多くの場面でスポーツが取り上げられることが予想される。身近なロールモデルとしての女性指導者を増やし、女性アスリートを効果的にプロモーションすることで、女性のスポーツへの参画を促し、さらには、スポーツ界から社会が持つ女性イメージに変化を与えることができるのではないか。</p>