著者
笠原 桂子 廣田 栄子
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.66-74, 2015
被引用文献数
2

要旨: 若年聴覚障害者の就労満足度と関連する要因を検討することを目的とし, 企業就労する35歳以下の聴覚障害者を対象にweb調査を実施した。<br> 回答者の聴力程度 100dB 以上は67%, 最終学歴は大学院・大学が多く (60%), 正社員率が74%であった。また,手話理解可能 (92%) であるが, 職場でのコミュニケーションは主に聴覚口話で, 情報保障は印刷資料, 筆談が多く, 手話通訳は僅かであった。入社満足については, 概ね満足が6割に認められ, 回答の因子分析では, 就労満足度は, 職場帰属意識, 職能充実感, 支援関係の3因子で構成されていた。就労満足度に関連する要因として, 年齢 (30歳以上>30歳未満), 聴力程度 (100dB 未満>100dB 以上), 学歴 (大卒等>高卒等) の要因の関与を認めた。<br> 若年聴覚障害者では, 情報保障は十分ではないが, 就労満足度は過半数で高い傾向を示し, 職場帰属意識と職能充実感に注目し, 長期的な定着支援が必要と考えられた。

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冒頭の要旨より引用 "若年聴覚障害者では, 情報保障は十分ではないが, 就労満足度は過半数で高い傾向を示し, 職場帰属意識と職能充実感に注目し, 長期的な定着支援が必要と考えられた。" CiNii 論文 - 若年聴覚障害者における就労の満足度と関連する要因の検討 https://t.co/Ysy3oKAACY #CiNii

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