著者
秋田 英万
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1059_1, 2016

グリベラ(Glybera<sup>&reg;</sup>:ユニキュア)は,2012年にEuropean Medicines Agency(EMA)より認可された,先進国初の遺伝子治療薬である.アデノ随伴ウイルス(adeno associate virus:AAV)を用いた遺伝子導入技術を基盤としている.本薬は,リポ蛋白質リパーゼ欠損症(lipoprotein lipase deficiency:LPLD)を抱え,再発性急性膵炎を発症する患者を対象としている.極めて希少な遺伝性疾患が対象となっているものであり,多くの患者が恩恵をうけるものではないが,永年停滞してきた遺伝子治療の重要性を再認識させる歴史的な快挙である.

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