著者
青島 周一 桑原 秀徳 山本 雅洋
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.948-950, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
5

前景疑問に対する問題解決に、Evidence-based Medicine(EBM)の実践は必要不可欠である。しかしながら我が国では、EBMに対する薬剤師の認知度は高いとは言えない。「薬剤師のジャーナルクラブ」は論文抄読会をインターネット上で開催することで、EBM学習の場を提供する取り組みである。取り組み当初より、視聴者数は徐々に増え、現在ではコメント投稿機能を用いた活発な議論が展開されている。論文から深い考察や新鮮な驚きを得たことを示唆するコメントも多く、当取り組みは、EBM学習の場を提供するという点において、一定の役割を果たせるものと思われる。
著者
東田 道久
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1113-1115, 2015 (Released:2018-08-26)

北陸新幹線が開通し,関東から北陸へのアクセスが大変便利になった.東京から富山までは約2時間,名古屋と変わらない時間での往来が可能である.江戸の昔,越中富山藩は,加賀藩の負債も背負って独立,当初は経済的に恵まれない状況におかれていた.その状況を打開するために考え出された産業が「くすり」であった.くすりは命にかかわるため付加価値も極めて高く,また軽くて運びやすいため,遠方でも物流が容易である.江戸城内での販売促進キャンペーンを経て,売薬ネットワークも確立させ,越中・富山の産業として発展,今日まで続く「くすりの富山」ブランドの看板と独占的販売権 (懸場帳:かけばちょう) を築き上げてきた.本グラビアでは,今も富山の産業に深く根ざしている「くすり産業」の原点とも言えそうな昔ながらの趣を残す各地や博物館を訪ね,その歴史と,先人たちの熱意と情熱に思いを馳せる.(各施設等の説明文の後に,詳細情報をウェブより入手する際の検索ワードを記載した)
著者
柴田 承二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.156-161, 1998
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
大村 智
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.979-983, 2006-10-01
参考文献数
11
著者
綿引 智成
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.850-854, 2016 (Released:2016-09-02)
参考文献数
15

大麻草を乾燥または樹脂化した大麻には,カンナビノイド(CB)と呼ばれる60種類以上の活性成分が含まれ,古来より鎮痛や食欲増進等の目的で使用されてきた.しかし,陶酔感,短期の記憶・認識障害,または起立性低血圧を引き起こし,さらには依存性リスクも有することから,一部の国や州を除き大麻の医療目的使用は禁止されている.一方,1960年代に,大麻の主活性成分がΔ9-テトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol:THC)であることが報告され,1990年代にはTHCの生体内標的分子としてカンナビノイド受容体タイプ1およびタイプ2(cannabinoid receptor type I and type II:CB1 and CB2)が同定された.さらに,CB受容体に対する生体内アゴニストとしてアナンダミド(anandamide:AEA)および2-アラキドノイルグリセロール(2-arachidonoylglycerol:2-AG)が発見され,それらに対する主要分解酵素がそれぞれ脂肪酸アミド加水分解酵素(fatty acid amide hydrolase:FAAH)およびモノアシルグリセロールリパーゼ(monoacylglycerol lipase:MAGL)であることも明らかとなっている(図1).本稿では,これらカンナビノイド系分子を標的とした医薬品開発状況を,各種データベースおよび文献情報からまとめたので概説する(表1).
著者
山本 輝太郎 石川 幹人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1024-1028, 2019 (Released:2019-11-01)
参考文献数
21

ワクチン有害説とは,「ワクチン接種はヒトにとって有害である」という基本的な考えのもと,社会および個人に対してワクチン接種の危険性を訴える主張の総称である.本稿の目的はワクチン有害説の科学性を評価することにある.科学哲学・科学社会学の知見から案出した「科学性評定の10条件」に基づくと,ワクチン有害説は理論の適応範囲に大きな問題を抱えており,データの面からもこれを支持できる有力な根拠はなく,典型的な疑似科学的言説である.科学性評定の10条件の理解把握によってこうした評価が可能である.

14 0 0 0 OA 睡眠改善食品

著者
安居 昌子 坂内 慎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.530-533, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
22

昨年消費者庁が機能性表示制度の導入を開始し,睡眠に関する機能性表示の届け出が受理された商品を市場で見かけるようになった.グリシンは機能性表示が受理された成分の一つであり,摂取すると脳の視交叉上核にあるNMDA受容体に作用し,末梢血流の増加,深部体温の低下を介して睡眠の質が向上することが報告されている.本稿ではグリシンを中心に最近の睡眠改善食品成分のメカニズム,効果に関する最近の研究開発の紹介を試みることとする.

13 0 0 0 OA アサと麻と大麻

著者
船山 信次
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.827-831, 2016 (Released:2016-09-02)
参考文献数
8

アサは古くから人類によって利用され、その繊維は一般に麻と書く。一方、単に麻というと種々の繊維が採れる異なる植物の総称であることから、アサを大麻と称することがある。大麻というと、「大麻取締法」で規制されているドラッグのイメージがあるが、大麻という言葉には本来悪い意味はない。ここではアサの来歴から、アサが大麻取締法にて規制されようになったいきさつ、そして、大麻吸引から派生した危険ドラッグの誕生とその正体について述べる。
著者
芹沢 貴之
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.919-923, 2019 (Released:2019-10-01)
参考文献数
15

創薬の分野においてもAIの活用は注目を集めている。化合物デザイン、QSAR、QSPRによる活性物性予測、合成経路提案など、様々なパートへAI(主に深層学習)を適用する報告も多くなされてきている。その一方で、実例報告はまだ多くはない。そこで今回は、実際の創薬研究プロジェクトでのAIの活用事例、並びに今後の展望について紹介させていただきたい。
著者
山中 章弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.968-972, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
20

複雑に絡み合う脳内の無数の神経の中から,標的とする神経細胞の活動だけを狙い,透過性の高い光を用いて極めて高い時間精度でその神経の活動を操作するオプトジェネティクス(光遺伝学)の進化が著しい.特に個体動物の脳内の一部の神経細胞の活動を操作し,個体の行動をも制御可能な点が画期的である.新しい実験手法である光遺伝学の基礎知識から同実験手法をげっ歯類に応用した最近の研究について紹介し,将来の創薬分野への応用の可能性について論じる.光遺伝学は,2005年に開発された新しい実験技術である.特定の波長の光を感知して活性化され,細胞機能に影響を与えうる分子(光活性化タンパク質)を特定の細胞に発現させると,その細胞機能(特に神経活動)を光で操作することが可能となる(図1).そして,その結果として表出する行動を解析することで,行動発現を制御する神経回路機能の動作原理を明らかにすることが可能となった.これまで長年決着がついていなかった様々な生理現象に対して光遺伝学が適用され,その解決に貢献してきている.例えば,記憶が海馬の神経細胞に実際に記録されていること,グリア細胞機能が呼吸機能にかかわっていること,不安を引き起こす扁桃体の神経回路が明らかになっている.そのため光遺伝学は急速に発展し,神経科学の研究に不可欠な実験技術として幅広く普及しはじめている.そのことは2010年のNature Methodsが全分野の中から選ぶMethods of the yearに光遺伝学が選出されていることからも伺える.光遺伝学を用いた研究を行うには,十分な分子数の光活性化タンパク質を標的細胞の細胞膜へ発現させること,そして,その細胞へ十分な量の光を照射するという2つのステップが存在する.
著者
菅谷 佑樹 狩野 方伸
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.840-844, 2016 (Released:2016-09-02)
参考文献数
18

内因性カンナビノイドはシナプス後部の神経細胞で作られ、シナプス前終末に“逆向きに“働く。シナプス前終末ではCB1受容体を介して、グルタミン酸やGABA等の神経伝達物質の放出を抑える。2001年にこの“逆行性伝達物質”としての働きが発見されてから、その産生や分解の経路やシナプス伝達調節のメカニズムに関する数多くの研究が行われてきた。本稿ではこれまでに明らかになっている内因性カンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧のメカニズムを解説する。
著者
山本 経之
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.817, 2016 (Released:2016-09-02)

大麻は、人類誕生以前から地球上に存在する植物であり、また繊維として、食物として、医薬品として人類が広く頻用してきた歴史がある。大麻の活性成分として精神作用の強いΔ9-THCや精神作用の弱いCBN等が同定され、カンナビノイドと呼ばれている。また体内にも大麻の活性成分と結合する特異な受容体の存在が明らかにされ、同時に内因性カンナビノイドも見つけられている。一連のカンナビノイドは、創薬としての新たなブレークスルーが期待できるか?
著者
荒 義昭
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.212-216, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
4

審査報告書を読んだことはありますか?ページ数が多い、黒塗りでよく分からない、どこに何が書いてあるかわからない。初めて読んだときはそう思うかもしれない。しかし読み方を覚えると、なかなか良い医薬品情報源である。本稿では審査報告書の読み方とポイントを紹介し、医薬品リスク管理計画書(risk management plan:RMP)についても触れていきたい。
著者
野口 照久 原 博
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.19-23, 1996-01-01