- 著者
-
小林 直也
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.12, pp.1159, 2022 (Released:2022-12-01)
- 参考文献数
- 5
望みの標的タンパク質と特異的に結合するタンパク質を設計し,タンパク質相互作用を自由自在に制御することができれば,新しい医薬品の開発への応用が期待できる.これまで結合タンパク質を設計するには,標的タンパク質が他のタンパク質と結合した複合体構造が必要であり,標的タンパク質の立体構造情報のみを用いて結合タンパク質を設計する一般的な方法はなかった.本稿では,標的タンパク質の立体構造情報のみを用いて,任意の標的タンパク質の特定の部位に結合するタンパク質を設計する手法を開発したCaoらによる研究を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Cao L. et al., Nature, 605, 551–560(2022).2) Dou J. et al., Nature, 561, 485–491(2018).3) Rocklin G. J. et al., Science, 357, 168–175(2017).4) Chevalier A. et al., Nature, 550, 74–79(2017).5) Jumper J. et al., Nature, 596, 583–589(2021).