- 著者
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飯村 周平
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育心理学会
- 雑誌
- 教育心理学研究 (ISSN:00215015)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.3, pp.364-375, 2016
- 被引用文献数
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7
高校受験は, 多くの中学生にとってストレスフルな出来事である一方で, 生徒に心理的な成長をもたらす可能性もある。本研究では, パーソナリティ特性と知覚されたサポートが高校受験を通じたストレス関連成長に及ぼす影響を検討する。対象者は中学3年生(男子96名, 女子87名)であり, パーソナリティ特性, 知覚されたサポート, およびストレス関連成長で構成される尺度に回答した。階層的重回帰分析の結果, パーソナリティ特性と知覚されたサポートは, ストレス関連成長の全分散の30-50%程度を説明した。男子では, パーソナリティ特性と知覚されたサポートの交互作用がストレス関連成長と関連を示し, 女子では, パーソナリティ特性と知覚されたサポートの主効果のみが確認された。以上の検討から, パーソナリティ特性と知覚されたサポートの効果は, 生徒の性別や両要因の組み合わせによって異なることが示唆された。