著者
五十嵐 陽介
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.150, pp.33-57, 2016

<p>琉球語南琉球語群宮古語の方言である池間方言と多良間方言は3種類のアクセント型が対立するいわゆる三型アクセント体系を有する。両方言のアクセント型の区別は広範な環境で中和する。また両方言は,日本語諸方言と比較して複雑なアクセント型の実現規則を有する。本稿は,両方言の韻律構造を記述するためには,2モーラ以上の語根および接語が写像される韻律範疇である韻律語を仮定しなければならないことを示す。また本稿は,韻律範疇を扱う理論的研究の知見を踏まえながら,問題の韻律範疇に韻律語の地位を与えることの妥当性に関する予備的な議論を行う。</p>

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