著者
菊地 宏樹 湯 哲海
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー
巻号頁・発行日
vol.15, no.11, pp.547-564, 2016

<p>Bijker (1995a) では、まずオランダの洪水や堤防を巡る問題を唯物論的モデル・認知論的モデル・社会的形成モデルから説明している。そのうえで、社会的形成モデルの不十分な点を指摘し、より精緻なアプローチとして三つのフレームワーク (システムズアプローチ・アクターネットワーク理論・技術の社会的構成) を提示している。これらを用いて、オランダのデルタプランという大規模な堤防工事の事例分析を行った、というのがこの論文の大まかな内容である。この論文中で技術の社会的構成アプローチ (SCOT) はシステムズアプローチ、アクターネットワーク理論とともに、社会技術アンサンブルという、技術・社会などの異質な要素が密接に結びついたものを分析対象とするアプローチとされている。提唱された当初のSCOTは、社会技術アンサンブル的なものを分析対象としていたわけではなく、様々な批判を受けて、フレームワークをアップデートし、およそ10年の歳月をかけてこのパースペクティブに至った。近年、経営学ではSCOTのアプローチが新しい分析ツールとして紹介されるが、これまでの経営学の研究を見ると社会技術アンサンブル的な観点はむしろ普通に利用されており、SCOTというアプローチは社会技術アンサンブルに至る過渡期的なものであったのではないかと考えられる。それゆえ、まだ理論発展の余地はあり、Bijkerによるフレームワークのアップデートの結果として出てきた技術フレームに列挙されている要素の強弱や関係などを解き明かすといった方向性が考えられる。</p>

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