著者
大西 智也 橘 浩久 武田 功
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】国家試験に向けた学生指導について,過去に出題された国家試験問題(以下,過去問)を分析し,その傾向を知り,過去問を何回も見直しながら知識の習熟を図らせる。過去問を繰り返し学習していると,解答が自然と覚えられる。過去問を模擬試験として活用しずらく,学習の成果,その時々の実力を把握しずらい。その対策として,業者の模擬試験問題の活用,過去問が利用された簡易的な模擬試験問題(Webサイト)の活用などがある。そのようなことを,本学で導入しているGoogle for Education™上で実施できる可能性がある。そのシステムを開発するはじめの段階として,過去問を基にした問題集出力を自動化する独自のプログラムの作成を試みた。【方法】方法(1):国家試験問題の編集について,第40~50回の理学療法士国家試験過去問題の3095題(五択問題)を,1題ずつ,1.分野,2.設問,3.図の有無,4.解答選択肢1つ目,5.解答選択肢2つ目,6.解答選択肢3つ目,7.解答選択肢4つ目,8.解答選択肢5つ目,9.ID(任意)をカンマで区切った。1について,専門分野の理学療法評価,臨床運動学,中枢性疾患,などの13分野,基礎分野を解剖学,生理学,運動学,内科学,など11分野,計24分野に任意で分類した。3について,設問や解答に図がある場合,別ファイルに図を保存した。2および4~8について,設問および解答のとおり保存した。1~8を一組にして,9のIDを与え,CSV形式でコンピューターに保存した。方法(2):新たに作成したい問題の指定について,24分野ごとに出力したい問題数をそれぞれ指定したデータ(CSV形式)で保存した。そして,方法(2)で指定した分野別の問題数をもとに,方法(1)で作成したファイルから分野ごとにランダムに問題を抜粋し,次に,抜粋したすべての問題の解答選択肢順を自動で並べ替えて,問題とその解答を別々にコンピューターに保存(CSV形式)させる,という自動化したプログラム(オブジェクト指向)をPython 3.4.3で作成した。そのプログラムに指定しなければならないコマンドは,方法(1)で作成した過去問のデータファイル名と,方法(2)で作成した分野別に指定した問題数が保存されたデータファイル名,実行コマンドとした。【結果】過去問データから,指定した分野別の問題数をもとに,解答選択肢がランダンムに並べ替えられた状態で新たな問題とその解答が自動的に出力され,それをコンピューターに保存することができた。【結論】今回作成したプログラムで,自動的に再編集した過去問を出力させることができた。各々の学生が,必要に応じて,簡単に過去問から模擬的な試験問題を作成できる状態となった(現在は学生の要望に応じて著者が作成)。Google for Education™に,今回作成した独自のプログラムが組み込まれるように,また,国家試験対策の一環として学生が自由に使用できるようにすることが今後の検討課題である。

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こんな論文どうですか? 国家試験過去問題をランダムに出力するプログラム作成:―プログラミング言語Pythonによる試み―(大西 智也ほか),2016 https://t.co/cV1dDg9J33 【はじめに,目的】国家試験に向けた学生指導について…
こんな論文どうですか? 国家試験過去問題をランダムに出力するプログラム作成(大西 智也ほか),2016 https://t.co/cV1dDg9J33

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