著者
野澤 伸一郎 藤原 寅士良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.300-309, 2016
被引用文献数
2

木杭は,明治以来,鉄道においても高架橋や駅設備の基礎杭として利用されてきた.木杭は,地下水位以深に位置する,または地下水位変動があったとしても粘性土に覆われていれば,著しい腐朽をすることなく耐久性を有する点,木杭の耐久性や強度は樹種や産地によって異なることが知られている.本点を確認するため,東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事で撤去された松杭の状況と地質,地下水位を調べた.その結果,杭頭部から約500mmの範囲を除いて,長期間,木杭が地下水位以浅にあっても,地表部に粘性土層があり,一定の含水比を有する砂質土に打設されていれば著しい腐朽が発生しなかった点が確認された.また,東京駅丸の内駅舎に使用された木杭の樹種,産地について,当時の建設記録や考察から「甲地松」である可能性が高いことをつきとめた.

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