著者
佐々木 崇人 野澤 伸一郎 築嶋 大輔 金子 顕
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.622-628, 2015 (Released:2016-07-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

東北地方太平洋沖地震では,新幹線に用いられるコンクリート製電柱が折損や倒壊の被害を受けた。コンクリート製電柱が倒壊に至るような致命的な損傷となるのは,コンクリートの圧縮破壊が先行し脆性的な破壊となることが大きな要因であった。過去のコンクリート柱の被害と設計の変遷を明らかにした上で,PC構造のコンクリート製電柱を鋼管巻RC構造に改築して変形性能を向上させ,脆性的な破壊を防ぐことができる耐震補強工法を発案した。実用化に向けて,正負交番載荷試験,および実物大のコンクリート製電柱を用いた曲げ試験と振動台試験による性能確認を終え,耐震補強工事を実施している。
著者
野澤 伸一郎 藤原 寅士良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.300-309, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

木杭は,明治以来,鉄道においても高架橋や駅設備の基礎杭として利用されてきた.木杭は,地下水位以深に位置する,または地下水位変動があったとしても粘性土に覆われていれば,著しい腐朽をすることなく耐久性を有する点,木杭の耐久性や強度は樹種や産地によって異なることが知られている.本点を確認するため,東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事で撤去された松杭の状況と地質,地下水位を調べた.その結果,杭頭部から約500mmの範囲を除いて,長期間,木杭が地下水位以浅にあっても,地表部に粘性土層があり,一定の含水比を有する砂質土に打設されていれば著しい腐朽が発生しなかった点が確認された.また,東京駅丸の内駅舎に使用された木杭の樹種,産地について,当時の建設記録や考察から「甲地松」である可能性が高いことをつきとめた.
著者
野澤 伸一郎 白崎 広和 和田 旭弘 友利 方彦
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.127-137, 2012
被引用文献数
3

東北地方太平洋沖地震では,鉄道も広い範囲で被災した。JR東日本線において,地震動では在来線の盛土・切土が被害を受けたが,それぞれの規模は大きくなく,線路延長では最大でも120m程度であった。トンネルの被害は新幹線,在来線とも極めて軽微であった。京葉線はじめ鉄道沿線で液状化が発生したが,高架橋,橋梁については,変状は無かった。津波による被害は甚大であり,海岸線を走る5線区の盛土,切土では50箇所にのぼる被害を受けた。海岸にある防潮堤や鉄道盛土と隣接した架道橋の存在により,被害の形態や規模は異なっていた。
著者
野澤 伸一郎 藤原 寅士良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.300-309, 2016
被引用文献数
2

木杭は,明治以来,鉄道においても高架橋や駅設備の基礎杭として利用されてきた.木杭は,地下水位以深に位置する,または地下水位変動があったとしても粘性土に覆われていれば,著しい腐朽をすることなく耐久性を有する点,木杭の耐久性や強度は樹種や産地によって異なることが知られている.本点を確認するため,東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事で撤去された松杭の状況と地質,地下水位を調べた.その結果,杭頭部から約500mmの範囲を除いて,長期間,木杭が地下水位以浅にあっても,地表部に粘性土層があり,一定の含水比を有する砂質土に打設されていれば著しい腐朽が発生しなかった点が確認された.また,東京駅丸の内駅舎に使用された木杭の樹種,産地について,当時の建設記録や考察から「甲地松」である可能性が高いことをつきとめた.