著者
田中 雄大 菅野 圭祐 佐藤 滋
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.305-312, 2016

本研究の目的は、山形県鶴岡市を対象として、城下域の取排水系統や、水路網の取水・分水・集水地点などの伝統的水系構造を解明し、景観構成との関係を明らかにすることである。本研究は以下の手順で行う。第一に、城下絵図や明治地籍絵図、現代の地番図などの地図資料の比較を基にArcGISを用いて藩政期における城下域の流路を復元する。第二に、微地形の分析や地図史料を用いて流水方向を特定し、地区ごとに記述する。第三に、各地区の記述に基づき、城下域全体の取排水系統を把握する。また、各系統が配水する地域における土地利用の特徴を考察する。第四に、城下域全体の取排水系統における、取水・分水・集水地点を特定し、各地点に確認される水路形態の特徴を把握する。第五に、水系上に確認される山当て景観と借景の分布実態を把握し、取排水系統の違いによる分布の差異や、取水・分水・集水地点との位置的関係を分析する。

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