- 著者
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野村 直人
佐藤 滋
- 出版者
- 公益社団法人 日本都市計画学会
- 雑誌
- 都市計画論文集 (ISSN:09160647)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.3, pp.603-610, 2016
- 被引用文献数
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1
イタリアは日本同様地震頻発国であり、戦後の度重なる震災の中で歴史・文化の復興を目的とした復元的復興を軸として被災地の地域性に応じた多様な復興計画手法を試みてきた。2012年エミリアロマーニャ地震からの復興においてはこれまでの経験をもとにした歴史文化の復興への取り組みと同時に、震災前から抱えていた人口流出や高齢化、都市環境の悪化など多様な課題への対応が求められており、社会経済の再生、都市環境の再編に向けて綿密な調査に基づく計画策定と、その間の長期避難生活を支える住環境の構築が同時並行的に行われている。本研究では、都市形成史、長期避難生活を支える住環境の計画手法、歴史地区における復興計画手法、を明らかにすることで復興計画手法を明らかにした。いずれの都市においてもこれまでの歴史的文脈を踏まえた上で、多様な応急建設による長期的な復興を見据えた仮設市街地の構築と、復興計画による従前の都市が抱えていた課題への対応とを両立させることで、都市再生としての震災復興を意図していることが明らかになった。