著者
Kim Hyun Jin Kim Jongyun Yun Do Lee Kim Ki Sun Kim Yoon Jin
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.360-365, 2016
被引用文献数
5

<p>コチョウランにおける植え込み培土の差異が生育と開花に及ぼす影響を検討するため,コチョウラン品種'ドリテノプシス クイーンビアー 満天紅'を 4 種類の植え込み培土(チリ産ミズゴケ,培土用ピートモス,培土用ベイマツ由来バーク堆肥とピートモスを 3:7 で混和した培土,チリ産ミズゴケとピートモスを 4:6 で混和した培土)でそれぞれ 15 か月栽培し,その生育状況を観察した.4 種類の培土の物理性(間隙率と保水力)と化学性(pH と EC)を調査したところ,液肥灌水をした 3 日目までは,ミズゴケ+ピートモス混合培土の体積含水率は,他の培土に比べて有意に優れていた.またバーク堆肥+ピートモス混合培土は他の培土に比べて土壌間隙率は低く維持された.体積含水率と土壌間隙率の変化は成長反応と関連性はなかったが,'満天紅'のシュートの成長と着花はピートモス培土でより促進された.おそらく pH 6.15 という適切な pH 条件下において,十分な水分と肥料の供給が培土を通じて地中の根から植物体に吸収されたことに起因すると考えられる.移植後 15 か月目には,ピートモス培土とバーク堆肥+ピートモス混合培土における植物体の成長は,他の培土に比べて葉は大きく,乾物重も大きかった.ピートモス培土で生育した植物体は,1 株当たり 2.75 本の花茎(穂状花序)を形成し,一方,他の培土では 2.00~2.33 本の花茎を形成した.ピートモス培土では 67%,バーク堆肥+ピートモス混合培土では 33%,ミズゴケ培土では 17%,ミズゴケ+ピートモス混合培土では 8%の植物体が 3 本の花茎を形成し,3 本立ちとなった.培土の違いのおける総開花数については統計学的に有意差はなかったが,総花蕾数に関しては,1 本当たりピートモスが 32.3 個,ミズゴケが 23.4 個,バーク堆肥+ピートモス培土が 23.0 個,ミズゴケ+ピートモス培土が 19.7 個であった.花茎(穂状花序)の出現時期については,ピートモス培土が他の培土に比べて短縮された.これらの結果から,コチョウランの栽培にピートモスを含む培土を用いることで,生産者はより安価な培土で葉の成長と蕾の形成を促進することができ,結果的により高い収益性を生み出しうるコチョウラン品種'満天紅'の高品質生産が可能になる.</p>

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