- 著者
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福地 伸章
木村 太郎
松枝 大治
- 出版者
- 一般社団法人日本鉱物科学会
- 雑誌
- 日本鉱物科学会年会講演要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.2012, 2012
本研究では東北日本白亜紀花崗岩類に伴う様々な産状の電気石を用いた.EPMA化学組成分析の結果,そのほとんどがアルカリグループに属し,schorl-draviteに分類される.花崗岩類中の電気石は各岩体により異なり,特にAl含有量は西南北海道,阿武隈帯,北上帯の順に高くなる.一方,ホルンフェルスに貫入するペグマタイト脈中の電気石は比較的Alに富むことから,電気石の組成が母岩の組成の影響を受けていると考えられる.また,流体包有物の検討結果によれば,流体包有物を含む電気石の組成はMgFe<sub>-1</sub>置換や[Mg(OH)](AlO)<sub>-1</sub>置換を示す傾向がある.このことは,電気石のMg含有量が流体の特性と活動に影響を受けている可能性があることを示唆する.