著者
大矢 勝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

目的 洗浄現象を理論的に解析するのに役立つ新たな洗浄力指標<sup>1)</sup>について検討した。汚れの付着力および洗浄作用のばらつきが正規分布に従うと仮定し、双方の確率密度関数から洗浄過程をシミュレートし、洗浄作用の分布の中心(&mu;<sub>RL</sub>)、および洗浄作用のばらつき(&sigma;<sub>RL</sub>)を汚れの付着力の相対位置として求める。この手法を検証した。<br>方法 酸化鉄(Ⅲ)、各種油性色素、各種酸性染料などをモデル汚れとして、ターゴトメータで5分間の洗浄を4回繰り返し、その間の洗浄率変化を求め、シミュレーションアプリケーションで&mu;<sub>RL</sub>と&sigma;<sub>RL</sub>を計算した。洗浄率は表面反射率からK/S値を求め、質量単位の洗浄率に近似できる洗浄率として計算した。ターゴトメータの回転数(60~180rpm)、各種界面活性剤の濃度、洗浄温度などを変化させて&mu;<sub>RL</sub>と&sigma;<sub>RL</sub>への影響を探った。<br>結果 &sigma;<sub>RL</sub>の値はカーボンブラック汚染布、酸化鉄汚染布、湿式人工汚染布が小さな値、油性汚れ(油溶性染料)が中程度、水溶性汚れ(酸性染料や直接染料)は大きな値となった。<sub>&sigma;RL</sub>の値がほぼ一定の値をとる条件下で、ターゴトメータの回転数、界面活性剤濃度などを変化させると、&mu;<sub>RL</sub>に加算法則が成立することが分かった。<br>実験に協力頂いた、羽田さん、執行さん、小野さん、平出さんに感謝する。

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