著者
大北 葉子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.86, 2013

本研究は空書と非漢字圏日本語学習者の漢字学習との関係を考察する。被験者は日本人9人と初級非漢字圏学習者9人であった。被験者はモニター画面上の視覚刺激が正しい漢字かどうかをキーボードを押して判断した。視覚刺激は五種類で、正しい漢字、曖昧漢字(図形的な間違いがある)、偽漢字(部首と旁の組み合わせが存在しない)、誤漢字(部首の場所が倒置されている)、ハングル文字であった。日本人2人と非漢字圏日本語学習者6人に空書が見られた。すべての被験者は漢字とハングル文字の区別ができた。空書なし3人の非漢字圏日本語学習者は漢字と漢字様刺激(曖昧漢字、偽漢字、誤漢字)の区別ができていなかった。これは空書なし非漢字圏学習者は漢字の細部構造に注意が払われていないことを示唆している。空書なし非漢字圏学習者は漢字練習時に単に書き写しているだけだったかもしれない。空書は漢字学習の内在化の深さの指標になるかもしれない。

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