著者
伊藤 智章
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

タブレット型携帯情報端末で動作するアプリケーションソフトを利用して、地図を共有するシステムを考案した。現在、導入が検討されている「デジタル教科書」の多くが、授業者主導の教材作成ができない状態になっている中で、タブレット端末を使った「デジタル地図帳」は、GISを援用して、誰でも自由に教材を作成、共有できるのが特徴である。 今回は、Apple社の「iPad2」を用いた。利用したソフトは、「GoogleEarth」と、地図アプリ「ちずぶらり」である。教室での利用と、野外調査での利用を想定して、実証実験を行った。 「Google Earth」は、パソコン用の各種GISソフトとの親和性が高いので、授業者が作った主題図や、インターネット上で調達した各種データを生徒の手元で簡単に提示することが可能である。ただし、回線速度や動作の安定性に課題があるため、野外巡検での利用には課題が残る。 「ちずぶらり」は、地図を画像データとしてとして扱い、位置情報の付与や写真の埋込みはパソコンからクラウド経由で行う。地形図はもとより、位置情報を持たない古地図や観光案内図、ハザードマップなどをタブレットで持ち運ぶことができる。また、インターネットに繋がらなくても閲覧や現在地表示が可能なので、野外調査実習の教材としての実用性が高い。ただ、位置情報を持っているGISデータも、画像として取り込んで位置合わせをし直さなければならないこと、アプリ更新の承認等の手続きが必要なため、地図の登録から閲覧開始までのタイムラグが長いこと、地域および更新者を限定しているので一般の教員が手軽に利用する環境にないこと等である。 地理教育は、「セルフメイドの地図帳」を手に入れようとしている。明らかになった課題を基に改善を行い、現場主導のデジタル教材開発を充実させていきたい。

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こんな論文どうですか? タブレット端末を用いた「デジタル地図帳」システムの試作(伊藤 智章),2013 https://t.co/1Q6upivPys タブレット型携帯情報端末で動作するアプリケーションソフトを利用して、地図を共有するシステムを考案…
こんな論文どうですか? タブレット端末を用いた「デジタル地図帳」システムの試作(伊藤 智章),2013 https://t.co/1Q6upivPys

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