著者
岡 裕泰 田村 和也
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

原木需給のミスマッチは丸太価格の暴騰や暴落をもたらす要因となる。1~3ヶ月程度の短期の原木需要見通しが立てられれば、原木供給調整のための基礎データとして有用と考えられる。林野庁においても四半期毎に見通しを作成・公表しているが、その精度改善は可能だろうか。2002年以降を中心に、月次データおよび四半期毎の国産材製材用素材入荷量、製材用素材在庫、製材品在庫等のデータを利用して、国産材製材用素材の需給量を見通すためのモデルについて検討した。国産材素材入荷量には季節変動が顕著なことが確認された。また入荷量には慣性があり、前期の量が大きいほど、次期の量も大きい傾向が認められた。さらに前期の素材在庫率(直近1年間の入荷量に対する在庫量の割合)が低いほど、次期の入荷量が大きい傾向が認められた。翌月以降の見通しを立てるのが当月の下旬とすると、実績値として利用できるのは前月までの入荷量と在庫量である。分析の結果、季節ダミーと製材工場への前月の入荷量、前月の素材在庫量の3つの変数で、政府の見通しと同じ程度の誤差率で国産材製材用素材の需給量を予測できることがわかった。改善のためにはさらに研究が必要である。

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