- 著者
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下山 泰史
丸 章彦
松永 孝治
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース
- 巻号頁・発行日
- vol.125, 2014
【目的】マツ材線虫病に対して種々の防除手法が開発されているが,各手法はそれぞれ異なる特徴を持つ。ここでは、抵抗性マツと樹幹注入剤を併用した場合の防除効果を検討するため,クロマツ苗木を用いた試験を行った。【方法】クロマツ抵抗性品種4家系及び精英樹1家系の苗に、2012年3月に酒石酸モランテル(グリンガード・NEO(ゾエティス・ジャパン(株)))を3段階の濃度で地際部に注入した。同年7月にマツノザイセンチュウ(<i>Bursaphelenchus xylophilus</i>)のアイソレイトSc9,1万頭をシュートに接種した。一部の苗について,線虫接種前に樹体内のモランテル濃度を測定した。2012年12月に苗の発病状況を観察した。【結果】抵抗性家系は精英樹家系より枯死率が低く,これは注入したモランテル濃度が低い場合に顕著であった。酒石酸モランテルを注入した場合,注入濃度の増加に伴い樹体内のモランテル濃度は増加し,苗の枯死率は低下した。これらの結果は抵抗性マツと樹幹注入の併用が防除効果を高めることを示唆した。