- 著者
-
斎藤 正也
井元 清哉
山口 類
宮野 悟
樋口 知之
- 出版者
- 日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
- 雑誌
- 理論応用力学講演会 講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.63, 2014
インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。