著者
岩津 玲磨 鶴 秀生
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2008

屋内音響解析に用いられる時間領域音響計算法の改良を目的として、シンプレティック積分法と最適化コンパクト差分法を1次元、2次元ベンチマーク問題に適用、既存法、他の方法と比較した結果を報告する。 シンプレティック積分法はルース、吉田、サンセルナによる公式を使用してガウシアンの移流問題を計算した。ベンチマークの結果によると、屋内音響計算が対象とする分解能領域では3段階3次ルース法が最も精度/計算コストの面で良好であると思われた。 コンパクト差分法は通常良く用いられる6次精度のものよりも係数を調整した最適化公式の方が若干良い成績を示した。境界公式はその性質から大幅な改良は見込めないが、係数調整の効果について報告する。 以上の現段階で最適であった方法の組み合わせによって2次元の波面反射、散乱などの問題を計算した結果と時間領域屋内音響計算の計算規模と精度などについて検討する。
著者
斎藤 正也 井元 清哉 山口 類 宮野 悟 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.63, 2014

インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。
著者
長谷川 光弘 清水 健介 須藤 誠 木田 哲量 加藤 清志 高野 真希子
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.326-326, 2006

コンクリートは凍結融解作用や乾湿潤作用に伴い、環境水の微小水循環により中性化が加速され、かつ、そのアルカリ度の希薄化を定量化した。さらに、コンクリート組織中の欠陥界面に半透膜モデルを設定し、環境水の吸排水の可能性をファントホッフ効果によるものと論じた。本報では、仮想仕切版(す焼板)を介し、清水プールと高濃度アルカリ溶液プールのそれぞれの濃度平衡を定式化し、かつ、浸透速度を逆解析的に求め得ることを明らかにした。
著者
武居 周 杉本 振一郎 荻野 正雄 吉村 忍 金山 寛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.18, 2009

高周波電磁場の大規模有限要素解析において階層型領域分割法が有用である.反復型領域分割法において部分領域解法にLDLT分解法に基づく直接法を適用し,インターフェース問題の収束性が改善したことによって,従来手法では困難であった5,000万複素自由度規模の空洞共振器解析が可能となったので,本講演会にて報告する.
著者
遠藤 洋一 ゼブ ムハッマド ファラク 木俣 孝裕 太田 匡則 前野 一夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.229-229, 2011

近年の車両技術の向上による在来線の高速化に伴い,列車がトンネルに高速で突入することにより発生するトンネル圧力波の問題が報告されている.しかしながら,在来線におけるトンネル圧力波の研究はほとんど行なわれていない.そこで,在来線最高速の160km/hで走行している在来線特急「はくたか」に着目し,車両図面を基に2種類の実験用の軸対称模型を製作し,高圧ガスにより加速走行される小型の列車模型発射装置を用いて,列車模型をトンネル模型に突入させた時の圧力波の取得実験を行い,圧力波の形成と伝播の様子を捉え,圧力上昇・圧力勾配の比較を行なった.また,トンネル模型中間部に駅・信号場模型を設置した際のトンネル内の圧力波変動を計測し,列車およびトンネル断面積の比が圧力波の伝播過程に及ぼす影響と圧力波の駅・信号場模型通過後の圧力変化について調べた.
著者
西川 智 福島 誠一郎 矢代 晴実
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.49, 2008

2007年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎市にある自動車部品メーカーが被災したことにより、全国の日本の主要自動車メーカーが生産停止を余儀なくされた。地震時の企業のBCP(事業継続計画)を考える上では、サプライチェーンに依存した操業形態を有する企業の定量的なリスク評価手法が必要である。本論文では、サプライチェーンを構成する複数箇所の事業所の立地と、それぞれの地点での被害リスクを組み合わせ、企業の業務停止期間を定量的なリスク評価手法を提案する。これは、企業にとって、顧客への財・サービス提供の中断が長期化すれば、顧客の離反を招き、仮に長期間の休業後業務再開をしても、市場復帰が困難となるということに着目している。本論文では、直列型、並列型、併用型の3タイプのサプライチェーンが、東京23区、関東地方、東京300km圏の3つのスケールに生産拠点を展開した場合に、各地点の地震リスクとそれによる各拠点の業務停止期間のリスクカーブをもとに、サプライチェーン全体の業務停止期間を定量的に把握する手法を提案し、その有効性を検証した。
著者
市川 武志 福永 守高 牧野 国雄 横山 敦士 山田 敏郎
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.265, 2001

シリコンウェハスライス工程はLSI製造の精度向上のために非常に重要である.ウェハ軸と結晶軸のずれをもたらすため,シリコンウェハのそりは深刻なトラブルとなる.この軸ずれは後の研磨では解消できない.このような現象についての数値解析は有用と思われるが,そのような報告は今のところない.著者らは連成熱_-_応力マトリクスを用いた新しい有限要素モデルを提案する.そのモデルでは,スライスされた要素の熱伝導と剛性はゼロになる.切削熱がそりの第一の原因と仮定された.切削により発生する熱は,実験と数値解析の温度を比較することで求めた.200ミリウェハのそりは数値解析より4.21マイクロメートルと見積もられた.300ミリウェハについては3.7-8.5 マイクロメートルのそりと見積もられた.数値解析の結果は切削熱が小さければ,そりも小さくなることを示した.切削熱がシリコンの破壊と摩擦により発生すると考えられる.数値解析結果は破壊熱が主たる原因であると示唆した.
著者
和田 尚樹 ベリシェフ ミハイル
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.237, 2009

密度不均質な弦を辺とする有限グラフを考え,そこにおけるサイクルの存在の特徴づけに関する逆問題を論じる.本研究では,グラフ上でのLaplacinの固有値と固有関数の境界における値を既知とし,BC法に基づき波動方程式の解の性質を用いた手法を提案する.
著者
高木 健 木下 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.132-132, 2006

この論文では、環境負荷の小さい基幹エネルギー源として、帆走型洋上発電施設を提案している。この施設は、台風を避けながらかつ好適風力を求めて日本のEEZ内を航行するのが特徴である。また、このコンセプトの目標として、水素社会が実現される頃に、環境負荷が最も少ない基幹エネルギーとして成立することを目指している。試設計によれば、この施設は台風を上手に避ける運動性能と、充分な強度を有することが判った。また、フィージビリティ・スタディによれば、この施設3900個で石炭から得られるエネルギーに相当する日本全体の発電量の18%のエネルギーを代替することができ、2002年のCO2レベルの10%を削減できることがわかった。
著者
加藤 直樹 高野 真希子 木田 哲量 近藤 勉 今野 誠 須藤 誠 加藤 清志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.196, 2010

滑走路や高速道路舗装に使用されているようなコンクリート平版が弾性基礎上にある場合、半無限ばりの解析では、従来はその変形および曲げモーメント分布は単純な逆ベル形であったが、本研究によれば減衰部に極性の交番する変形が発生することが明らかになった。この事実は設計にあたり、単純曲げではなく曲げ疲労強度を考慮すべきことを示唆してる。そこで本報告は、半無限舗装版に車輪型点荷重を受ける場合、コンクリート版に引張ひび割れが発生する実状にかんがみ、地盤反力係数(地盤安定処理の程度)と応力やたわみを2000~3000m超という長手方向版長Lに対し、幅員B=100m程度でB/L=1/20~1/30を考慮し、はりにモデル化して解析を進めた。なお、幅員方向応力分担能をはり状に仮定し、版厚の影響についても考察した。また、応力解析にあたり、とくに目地なし半無限版を想定し、たわみ、曲げモーメント、地盤係数等の相関関係を総合的に考察し、舗装版設計上の限界特性値や地盤安定処理についての指針を明らかにし、両振り曲げ疲労対策としての高強度筋使用と鉄筋法の提案を行ったものである。
著者
河府 賢治 越智 光昭 武居 昌宏 田所 誠
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.66-66, 2007

静止粒子充填層の内部を流体が通過する充填層透過流動現象において,流体の流速と圧力損失の関係を知ることは極めて重要である。この関係式の一つにErgun式がありよく用いられている。ところが条件により,この式による圧力損失計算値と実験値とに大きな誤差が生じることも知られている。そのため修正Ergun式が各種提案されているが,その適用範囲は極めて狭く,実用的ではない。そこで本研究では既存研究における壁面の影響を考慮するとともに,粒子形状因子として直線率を新たに定義し,適用範囲の広い修正Ergun式を提案し,実験値と比較を行った。その結果7種類の形状粒子および空気速度0~6.0m/sの広範囲において,この式による誤差が6%以内に収まることが分かった。
著者
藪野 浩司 黒田 雅治
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.114-114, 2009

原子間力顕微鏡(AFM)による液中生体資料観察に向けた、マイクロカンチレバープローブの自励発振とその振幅低減化に関する制御法の提案を理論的ならびに実験的に行った。液中におけるQ値の低減は強制加振によるカンチレバーの等価的固有振動数の推定を困難にする。しかしながら、正帰還フィードバックによる自励発振をカンチレバーに発生されることにより、その応答周波数から投下固有振動数を推定することが可能になる。このとき、試料との接触を防ぐためには応答振幅の低減化が必要であるが、本研究ではhopf分岐に対する分岐制御を行うことにより、低減化する手法を提案し、実験によって低減化効果を確認する
著者
中江 貴志 劉 孝宏 末岡 淳男
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.180-180, 2008

本報で取り扱う自転車用ディスクブレーキは乾性摩擦に起因するロータ面内方向主体の振動である1000Hzの「鳴き」と,ロータ高温時にのみ発生する乾性摩擦に起因するロータ面内方向の連成振動とクーロン摩擦に起因するロータ面外振動が重畳された非線形自励振動現象である500Hzの「ビビリ」が発生する.この「ビビリ」は鳴き振動数のちょうど半分の振動数で振動しており,ロータ面内方向と面外方向の振動モードが振動数比2:1で内部共振関係にあることを意味する.本報では,ブレーキユニットのうち重要な要素であるスポーク,ロータ,ハブ,キャリパのみを解析対象に簡単なモデルを構築し線形計算によりこれら2つの現象を再現する.
著者
酒井 俊典
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.109-109, 2012

本研究は1gモデル試験と解析の両面から,密詰め砂における浅いアンカーの形状効果について検討を行ったものである.試験には矩形アンカーではアンカー引き抜き試験機を,ストリップアンカーではトラップドア試験機を使用した.矩形アンカーのL/Bは1,2,3,4,5を使用した.トラップドア装置は両面ガラスでできており,トラップドア部の幅は5cmである.3次元有限要素解析は,せん断帯,ひずみ軟化を考慮し,非関連流れ則を適用した弾塑性モデルである.矩形アンカーとストリップアンカーの破壊メカニズムを比較することで形状効果について検討を行った.その結果,形状効果に進行性破壊が影響することが明らかとなった.ピーク後ひずみ軟化が認められ,最大の無次元引き抜き抵抗値は,L/Bの増加により小さくなった.
著者
内田 淳史 梅野 健
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79-79, 2006

多くの非線形システムは、カオスまたはノイズ等の繰り返し入力された信号に対して一貫性(consistency)のある振る舞いを示す。一貫性とは、初期状態の異なる非線形システムが、ある信号により繰り返し駆動される場合に得られる非線形システムの出力の再現性のことである。非線形システムにおける一貫性は生体システムにおける情報伝達や流体中のパターン形成などに本質的な役割を示す。本講演ではコーシー分布を有するカオスマップに外部駆動信号を加えた場合の一貫性を定量的に評価し、一貫性の生じる本質的要因について議論する。一貫性とは一般化カオス同期の拡張概念であり、カオス同期よりもさらに普遍性の高い概念だと考えられる。
著者
山口 敦嗣 吉村 忍 山田 知典
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.340-340, 2006

階層型領域分割法はWS/PCクラスタを含む多様な並列計算機に適した連立一次方程式ソルバーであり、ライセンスフリーでソースコード公開のADVENTURE_Solidなどに用いられてきた。本研究では、数千自由度級の動的地震応答弾塑性有限要素解析を行うための基礎的技術の開発を目的とし、動的繰り返し弾塑性解析機能を構築し、その基本性能を確認した。
著者
比嘉 吉一 井山 裕文 玉城 龍洋 伊東 繁
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.62, 2013

不発弾の爆破処理時に生ずる衝撃波伝ぱ挙動,土砂の飛散およびクレーター深さといった爆破特性を明らかにする目的から,土,周囲空気および爆発物を非線形有限要素解析ソフトウェアであるHyperWorks-RADIOSS((c)Altair Engng., Inc.)によりシミュレーションモデルを作成した.これら作成したモデルに基づく一連の数値シミュレーションにより,爆発現象がクレーター深さと直径,土中および空気中に放出される過圧力に及ぼす影響について観測した.これら計算力学手法に立脚した計算結果は,不発弾処理時の避難区域設定に有用なデータとなる.
著者
北澤 一善
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.267-267, 2011

強く束縛されたフェルミオン(トップクオーク)-反フェルミオン(反トップクオーク)対が標準模型ヒッグス・ボソンの原始形(240個のグルーボールで形成されるフラーレン型準結晶)へ凝縮する際に放出すると考えられる1光子(492 MeVのエネルギーを保持)が、カラー磁場中において擬スカラー・南部・ゴールドストーン・ボソン(アクシオン)へ転化する可能性が、超新星残骸Cassiopeia Aに関する最近のγ線観測データより示唆される。その後、生成したアクシオンは更に2光子に崩壊した後、それらの多励起子作用により原始ヒッグス・ボソンを素励起し、自身は2×240組の電子対となる。一方、ヒッグス・ボソンは最終的に切頂八面体(tr-O)の擬スカラー・メゾン(スピン0)集合体に形態変化することを示す。この(重い)アクシオンの存在は「強い力のCP不変性問題(=極小θの自然性)」を解決させるので、観測による確認が大いに期待される。又、上記2過程においてそれぞれ予測される超伝導状態について議論する。
著者
ウン シ ハン マトゥッティス ハンスーゲオルグ
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.163-163, 2010

粉体や多孔質媒体に関するさまざまな現象(例えば、砂漠にある風紋や山崩れなど)は粒子周囲の流れに深い関係を持っている。このような現象を解析するには、巨視的およびメゾスコピックな物理量が得られるシミュレーションを必要とする。我々の研究グループは粒子離散要素法と流体の有限要素法を組み合わせることによって、粒子のシミュレーションを行う。本研究では、修正デロネー三角形分割を用いて自動メッシュ生成プログラムを開発した。また、非構造三角形メッシュを正三角形に釣り合わせる緩和アルゴリズムを用いてメッシュの最適化を行った。
著者
村上 真也 岩山 隆寛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.206-206, 2010

2次元乱流は多数の渦の運動とみなせるため, 個々の渦の動力学を調べることが2次元乱流のよりよい理解の助けになるだろう. そのような問題意識の下, Melander, et al.(1987)は非一様な渦度分布を持つ楕円渦の軸対称化過程を研究した. 楕円渦はその軸対称化過程において, フィラメントを放出することが知られている.Melanderらはフィラメントが誘起する速度場が楕円形をした等渦度線を軸対称化させるか否かについて, 定性的見積りを行った. 我々はこれを数値的に調べ, フィラメントが楕円渦の軸対称化に与える効果を議論した.その結果, フィラメントは初期には大きく軸対称化に寄与し, のちの時刻ではほとんど影響を与えないことが分かった. これはMelanderらの定性的議論と整合的である.一方, コアによって誘起される速度場は軸対称化と反軸対称化の両方に振動的に寄与することが分かった.