- 著者
-
松田 一希
- 出版者
- 日本霊長類学会
- 雑誌
- 霊長類研究 Supplement
- 巻号頁・発行日
- vol.31, pp.14-14, 2015
開催日時:2015年7月18日(土)13:00-15:30<br>会場:ホールC(国際交流ホールIII)<br><br>研究を始めるにあたり大事なことは、どういったフィールドでどのような霊長類種を研究するかを決めることである。既に多くの基礎データが蓄積された長期調査地、霊長類種の研究は、研究テーマを速やかに開始できるのが長所である一方、他の研究者とのテーマ重複を避けるために限られたデータしか集められないという短所もあるだろう。しかし、新たな調査地の開拓や、まだ研究が進んでいない霊長類種の研究を開始するには、並々ならぬ困難もありそうだ。そこで、新たなフィールド開拓、新しい霊長類種の研究に着手し、今なお第一線で研究を続けている研究者に、その魅力をについて語ってもらう。<br>調査地を開拓し、新たな霊長類種の追跡が軌道に乗っても、次に待ち受けるのはどういったデータを、どのように集めるのかという問題である。正しくデータを集めなくては、せっかくの苦労が報われないこともあるだろう。そこで、一昨年「野生動物の行動観察法」を出版した研究者に、霊長類の行動データを集める際に特に注意する点について語ってもらう。<br>行動データが集まり、分析が終わると論文執筆作業が待ち受けている。昨今のポスドク就職難を考えると、まとめたデータを素早く論文として出版していくことが重要である。また野外で研究をする研究者にとっては、この室内での執筆作業はなるべく早く終わらせ、次のフィールド調査に出かけたいものである。そこで、効率の良い論文の書き方について語ってもらう。<br>自身の研究を更に発展させるために極めて重要なことは、いかに研究費を獲得していくかであろう。そのためには、自分の調査対象、自分の調査地の魅力を客観的に評価した上で、今後の研究戦略を練り上げていく構想力が必要となる。第一線で途切れることなく資金を獲得し、新たなプロジェクトを次々と立ち上げている研究者に、資金獲得に欠かすことのできない申請書をどう書いてきたか、実例をもとに語ってもらう。<br><br>予定プログラム<br>1. 金森朝子(京大・霊長研)「新たなフィールドの開拓―野生オランウータンの調査地」<br>2. 本郷峻(京大・人類進化)「新たな霊長類種の研究開拓―マンドリル研究」<br>3. 井上英治(京大・人類進化)「その手法はだいじょうぶ?―霊長類の行動データ収集」<br>4. 松田一希(京大・霊長研)「どうやって論文をまとめるか―効率の良い書き方」<br>5. 半谷吾郎(京大・霊長研)「どうやって研究資金を獲得するか―研究戦略の練り上げ」<br><br>主催:<br>企画責任者:松田一希(京大・霊長研)<br>連絡先:ikki.matsuda@gmail.com / 0568-63-0271