著者
関根 有紀 川崎 寛也 笠松 千夏 野中 雅彦
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】昨年我々は複数の官能特性の経時的変化を1回の評価で捉えられるTemporal Dominance of Sensations(TDS)法を用い、従来の強度評定法では見いだせなかった食品の官能特性に関わるパラメータを報告した。このTDS法では結果がTDSカーブで図示され、官能特性の経時変化が見える化されるため、どのように味や風味をデザイン(設計)するかについて議論可能となる。本発表では、この活用例としてトップショコラティエである小山進氏(パティスリー エス・コヤマ)とのコラボレーションにより、和のフレーバーを活かしたチョコレートを作成した事例を報告する。<br>【方法】市販チョコレートのTDS評価結果を元にオリジナルチョコレートの試作を小山氏に依頼した。試作チョコレートのTDS評価を行い、フレーバーデザインについて議論を行うというサイクルを進めた。TDS評価は、担当者で言葉出しを行った14語を用いて行った。チョコレート片(13&times;20&times;9mm)を味わい、最もdominant(支配的、最も注意が向けられた、印象的)に感じられた「味」と「風味」について経時的に回答した(n=7~9)。<br>【結果】チョコレートの素材としてほうじ茶や賀茂なすのしば漬けなどを用いた、うま味が特徴的に余韻(後半に有意にdominant(p<0.1))として残るオリジナルチョコレートを作成することができた。これまでショコラティエが感覚的に設計してきたフレーバーデザインの過程を、TDSカーブとして具体的に記録することができた。このようにTDS法は、時間軸を導入したフレーバーデザインツールとして活用できることが示唆された。

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こんな論文どうですか? Temporal Dominance of Sensations(TDS)法によるフレーバーデザインを用いた商品開発:-トップショコラティエ(関根 有紀ほか),2015 https://t.co/fK4Hkgnhy9 【目的…

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