著者
クイ レ ゴック フォン 金 どぅ哲
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本研究は,ベトナム中部のフエ省におけるビンディエン水力発電ダムの建設に伴う,集落の水没と移転,そしてその過程で行われた補償を題材に,ベトナムにおける土地問題と少数民族の地域ガバナンスを考察したものである。ビンディエン水力発電ダムの建設によって移転を余儀なくされたボホン集落はベトナムの少数民族であるカトゥ族によって構成され,ダム建設前まで慣習的な土地所有と利用を続けてきた。ところが,ダム建設による移転過程で,伝統的なガバナンスの物的基盤であった総有的な土地資源がなくなり,その結果長老を中心とする伝統的な地域ガバナンスが急激に解体されていった。また,配分された土地では従来のような生計を営むことができず,若年層を中心に出稼ぎが増えており,コミュニティ自体の存続すら危ぶまれる状況である。

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