著者
岩森 光 中村 仁美 吉田 晶樹 柳 竜之介
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

若い玄武岩質溶岩組成の大規模データベースを構築し、多変量統計解析により独立な組成空間基底ベクトルの抽出と化学的解釈を行った。その結果、マントルは、「Dupal anomaly」のような南北分割ではなく、「日付変更線付近を境とする東西半球構造」を持つことが分かった。また、この構造は、2.5~9億年前の間、東半球に分布していた複数の超大陸に向かっての沈み込みと親水成分の集中に関連すること、およびマントル東西半球構造が内核の地震波速度構造と酷似し、マントルの長波長対流パターン・温度分布が、核にまで影響を及ぼしている可能性があることが分かった。大陸の離合集散を含むマントル対流モデルは、大陸集合時の「沈み込み帯のかき集め」が、超大陸下に効率的な親水成分集中と冷却をもたらすことを示している。東半球に濃集する親水成分は、地球ニュートリノの偏在をもたらす可能性があり、これは日本とイタリアの検出器を用いて検証可能である。

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編集者: Fukupow
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