著者
孫 珠煕 中嶋 史央里
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<br><br><b>目的</b> 温泉浴衣はTPOでみると、温泉宿で着る館内着であり、集団で着る制服でもある。晴れの場で着る浴衣に関する研究は多数あるが、温泉浴衣に関する研究は殆ど見当たらない。2020年は東京オリンピックが開かれ、温泉浴衣は若者や外国人に気軽に和文化体験できる機会となるのではないか。本研究では、好みの温泉浴衣の類型化にみる装い行動を明らかにする。<br><br><b>方法 </b>温泉宿で貸し出しサービスをしている温泉浴衣30種類を対象に、好きな浴衣を複数回答で選んでもらった。次に「好きな浴衣」の因子分析を行い、その因子得点を基にCluster分析を行った。「装い行動」測定尺度(38項目、6件法)は因子分析を行い、各Clusterにみる装い行動を可視化した。対象者は温泉宿利用客515名・若者375名の合計890名である。<br><br><b>結果 </b>女子好みの女性・男性浴衣、男子好みの男性・女性浴衣をポジショニングマップにより「現代的なー伝統的な」「はなやかな配色ー渋い配色」で可視化した。また、「好みの浴衣」は7因子、「浴衣の行動」は5因子が得られた。女子の「好きな浴衣」を基に5クラスターに類型化した。現代的なイメージを好む女子群(64.4%)は装い行動の「高揚感」「選べる浴衣」に因子得点が高く、肯定的であった。一方、伝統的で渋いイメージの浴衣を好む女子群(35.6%)は因子得点が低く、否定的な傾向が示唆された。(JSPS KAKENHI JP15K00749)

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